爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「太公望 中」宮城谷昌光著

太公望はいよいよ中国全土へと活躍の場を広げていきます。

 

山賊から救い出した女性、逄青の父親、東方の実力者逄尊から青の婿となることを請われた呂望は青を娶り、子供も二人うまれますが、その出産で青は亡くなります。

そしてかねてからの目標、商王国を倒し紂王を殺すということを再び目指すことになります。

子供は逄尊に預け、もしも失敗した時のために逄尊とは絶縁したかのように見せかけ、呂望は商の首都朝歌に戻り、以前のように肉屋を経営しているかのように見せながら商王朝に不満を持つ諸侯との連絡をつけるようになります。

 

呂族滅亡の際に一緒に逃げた女児継はその後九公の娘が紂王の妃として入内する際に付き添いとして宮中に入ったままでした。

九公も商に謀反を起こすとなれば、継の身も危険になりますが、それが後々まで解決しないままになります。

 

西方に向かった呂望は蘇の国に入ります。

そこではかつて孤竹の国に居た時に付き合いのあった宇留が蘇公の重臣として仕えていました。

ただし蘇公の行動にも危うさを覚えた呂望はそこでの深入りは避けます。

しかし蘇公の娘妲己は紂王の愛妾となっており、その立場の強化のために東方の鯨肉の入手が必要とあって、それに協力しますが、それで妲己に対する紂王の愛情も深まります。

 

さらに同じ羌族の向族に対しては、これまでのような遊牧頼りの生活の危険性を説き、城郭を建て農耕をし、狩猟をして戦闘力を養う指導を行います。

 

紂王が沙丘に築いていた広大な庭園が完成し、その祝いとして諸侯を招いた祝宴をひらくこととなります。

あの有名な「酒池肉林」と言われたものです。

ところがその祝宴の最中に紂王の真意が明らかとなります。

というところで中巻のおしまい。