くだけた言葉ばかりを使っていると教養を持っているのか疑われることになります。
それで失敗しがちな人にくだけたぞんざいな言葉とそれに対して上品な言葉を並べ、使えるようになれば良いなという本です。
ただし、私もある程度の教養はあると思っていますが、私でも全く使ったことのない言葉もかなり出てきており、そんなものを突然会話の中に放り出すとかえって不自然すぎるようにも思いますが。
たとえば「おめもじ」とか「はしなくも」「聞し召す」なんていうのは、知ってはいても口から出ることはないでしょう。
なお、やまとことばと漢語については、どちらが上品というわけでもないようで、双方の例が載っています。
「処理」を「とりはからい」とするのは、漢語からやまとことばへの変換。
「(自分の)気持ち」を「微意」とするのは逆にやまとことばから漢語への変換。
これは漢語でもよく使われるものとそうではないものとの差ということでしょうか。
ちょっとその辺の機微がよく分かりません。
というわけで、まあ知識として知っておくことは必要な場合もあるかもしれませんが、あまり使い道のあるとも思えないものでした。
特に、あまり上品な言葉を話すことのない人にとって、この本の例をそのまま使うとかえって馬鹿にされる恐れが強いと思います。