保守とリベラル、(昔は革新と言いましたけど)、右翼と左翼、分かっているようでよくわからない話です。
内田樹さんが自分が保守かリベラルかと聞かれたという話ですが、自分であればどうか。
それ以前に保守とは何かリベラルとは何か。
ちょっと調べてみました。
まず、本家?のアメリカの話です。
だいたいは共和党が保守、民主党がリベラルと言われていますが、どうなんでしょう。
liberal-arts-guide.comおおざっぱにいって、リベラルは政府の役割を大きくしたがる、保守は逆にできるだけ政府が関わらないようにしたいというものです。
具体的な項目としては、
国際社会での軍事力、公共事業や福祉への政府介入、人種差別撤廃や移民受け入れ、銃規制、宗教(学校での宗教教育や礼拝)、労働者の保護・格差是正といったものが対立軸となります。(どちらがどちらかというのは直感的に分かります)
これは日本ともヨーロッパ諸国とも似たところもあり、違うところもありで、もちろん日本では銃規制や宗教問題はあまり関係ありません。
日本ではどうなのか。
ごく初歩的なものではこう説明されています。
asahi.gakujo.ne.jpちょっと古い記事でもあり、また政治的な事例に偏っている気もしますが、対立軸としては
憲法改正、安保法制、原子力発電、伝統的家族形態(夫婦別姓)、首相らの靖国神社参拝
があげられています。
これもどちらがどちらかということは明らかです。
これをもとに対立軸を少々付け加えてみたいと思います。
まず「天皇制」は外せないでしょう。
今どき天皇制廃止などと言うことを言う人はほとんどいませんが、それでも積極的支持かどうかは見るべきでしょう。
さらに「海外との関り、特に軍事的に」ということも重要です。
実は上にあげられた「憲法改正」は現在のところ9条だけですので、実質的にはこう言うべき問題でしょう。
「エネルギー政策」は原発問題だけに限るべきではなく、脱炭素化というものも出てきており重要なものなのですが、ただしこれが保守リベラルの対立軸になるかどうかは分かりません。
皆が脱炭素と言っているようにも思います。
「伝統的家族主義」は決して夫婦別姓問題だけに限られるはずもないのですが、他の問題には目をつぶりそこだけに限って語られているようです。
しかし家制度への態度や男女の役割分担などまだまだ意識は千差万別かと思います。
「移民難民問題」は日本にはなかったかのような顔をしていたこと自体が大きな間違いであり、保守だろうがリベラルだろうが何らかの向き合い方が必要ですが、その意識がまだまだ乏しいのでは。
「経済問題」に全く触れないのも甚だしく不自然で不誠実です。
政府と経済という問題も重要なものであり、それに対する態度も国民すべてがはっきりと決めるべきことです。
ただしここはアメリカとはかなり大差があるところで、政府の関与をできるだけ小さくするような「小さな政府」といった感覚は保守リベラルの差などなく、日本ではどちらも大きな政府、というよりはお上のいう通りといった感覚が強いように感じます。
他にもまだまだありそうですが、この辺で一つのまとめとしておきます。
ただし、ここでいう「保守」とは文字通りの意味ではなく、今の自民党右派といった連中が考えていそうなこととしておきます。
彼らは決して「保守」すなわち伝統的なものを固く守るなどという態度ではないのですが、そこには目をつぶっておきます。
保守 リベラル
天皇制について 積極的賛成 消極的賛成
海外への姿勢 軍事的関与 非軍事に限る
原発 維持又は増強 廃止
脱炭素化 不明 積極支持
伝統的家族 積極維持 消極維持
夫婦別姓 反対 賛成
移民難民受け入れ 反対 賛成
こんなところでどうでしょう。
なお、この二択方式に従えば私はほぼリベラルとなります。
違うところもありますが。