パンやうどんなど小麦製品の売り文句には「国産小麦使用」という言葉が並ぶことが多いようです。
しかし実際は国産小麦には危険性が存在します。
日本ではどうしても収穫期に雨が多いことがあり、カビの発生とそのカビが作るカビ毒が検出されることがあります。
そして実際に昨年の小麦でかなり高いカビ毒が検出されたそうです。
こういった件について松永和紀さんが解説していました。
生育中の小麦によく発生するのは赤カビのフザリウム属の菌で、デオキシニバレノールというカビ毒を作ります。
これは見た目に明らかにカビが発生していなくても少量の発生はあるようで、ごく微量ながら小麦には含まれていますが、その程度であれば健康被害は生じません。
しかし多量にある場合は慢性毒性として成長抑制や免疫系への影響も報告されているそうです。
そのカビ毒の現状ですが、時と場所によって非常にばらつきが大きく、中には大量に含まれている場合もあります。
降雨の状況や周囲の汚染によって発生が増えることがあるようです。
なお、平均値としても輸入小麦より国産のものの方が高く検出されており、小麦栽培期の日本の降雨が多いという気候条件が影響しています。
このカビを防ぐにはやはり化学合成農薬の使用が適しています。
有機栽培で許されている抗カビ作用のある物質でもなかなかこのカビを防ぐことはできません。
そのため、高級パン屋の宣伝文句によくあるような「国産小麦を有機栽培した」というのは危険性を高めるだけのようです。
輸入小麦はポストハーベスト農薬を使うから危険と言われますが、実際にはそれよりカビ毒の方がはるかに危険ということは知っておく必要があるのでしょう。