生命というものは地球だけに限られたものなのか、宇宙には他にも存在するのか。
いろいろな学説があり、またそれを扱ったSF小説なども多数出ていますが、今のところなんの証拠もありません。
本書を著した山岸さんは分子生物学者ですが、一方ではSF小説の熱烈なファンで多くの作品を読んできたそうです。
そのような著者が科学的側面から地球外生命というものを考察しました。
まずは地球の生命の誕生というものを、宇宙の誕生からたどってみます。
生命の星としての地球の特殊性はかなり大きいものですが、それでも宇宙にそのような条件の星は全くないかというとそうでもない気もします。
ついで著者の専門に近い方から、知的生命誕生の条件を探っています。
神経、脳、音、光、言葉、道具といったものはどういった条件でできたのか。
地球では酸素濃度の急上昇という条件も重要です。
水がなければ生命が生まれないのかどうか、メタンであれば土星の衛星タイタンにも存在していますがメタンでは生命体にはなりそうもありません。
しかし今の人類の科学的常識とは全く別の可能性もないわけではないでしょう。
もしも地球外生命で知的存在がある場合、それはどのような形態か。
意外に現在の地球人と変わりはないのかもしれません。
地球の生物で知的化するとすれば可能性があるのは爬虫類か羽を失った鳥類ではないかということです。
そのため、外観は違うかもしれませんが、知能を持つということでは類似する点がありそうです。
最後にSF小説の名作を科学的にみるというコーナーもあります。
現在の最新科学から見て可能性の高いものもあり、まったく無理なものもあり。
タイムマシンとテレポーテーションが出てくるものはやはり無理のようです。