爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「サイエンス・ネクスト 科学者たちの未来予測」ジム・アル=カリーリ編

編者のカリーリさんはイギリスの物理学者にして作家やテレビキャスターなどもやっているそうです。

科学者たちが未来をどう見ているか。

それを色々な分野の専門家に対して質問し答えてもらったということです。

 

その分野というのが、人口・環境・気候、医学・遺伝学、AIやインターネット、そしてそれを支える(はずの)工学・輸送・エネルギーといったものです。

最後には「遠い未来」として、恒星間移動、世界の終わり、さらにはテレポーテーションとタイムトラベルなどと言うところまで進んでしまいます。

まあそれぞれがイギリスの各分野の専門家なのでしょうが、玉石混淆、というか石ばかり。

未来予測などと言う立派なものでは無く単なる願望に過ぎないものでした。

 

遺伝学・医学とAIは今でも最先端の分野で多くの優秀な研究者が集中しており、進歩も速いところですが、ここは未来予測というのもかなり磨かれているようでまとまったものと言えます。

ただし、それもこれもそれを支える工学・輸送・エネルギーというところが重要なはずですが、そこの予測は一段とお粗末なものでした。

エネルギーはいわゆる再生エネルギーに転換すれば大丈夫という能天気。

輸送も自動輸送ができるからといった狸皮算用

 

現代文明が化石燃料エネルギー使用に依存しきったものだということが見えていないのでしょう。

 

「世界の終わり」という章でも一番最初に出てきたのが気候変動、そして惑星衝突や巨大火山噴火がその候補として出ています。

いつかはあるかもしれませんが、それまで人類文明が持つということの方がありそうもないことです。

おそらく人類滅亡の理由として一番高い可能性があるのが、「食糧不足による飢餓から世界戦争への突入」でしょう。