強制ではないが義務化という変な制度で自転車乗車時のヘルメット着用が推進され、最近ではボチボチと着けている人が増えてきました。
熊本の田舎町では以前から小中学生は強制的にヘルメット着用をさせており、学童生徒用のヘルメットというものが出回っています。
形は工場などで使う落下物用のものにそっくりなのですが、おそらく自転車用として規格には適合するものなのでしょう。
白いヘルメットに男子用は青、女子用は赤の線が入っているというものです。
高校生になるとその強制はなくなりましたので、あっという間に漬けなくなり物置の隅やゴミ箱行きとなりました。
ところがその学童用ヘルメットをそのまま着用というジジババが出てきています。
大人用のヘルメットはかなり高いうえに品薄でなかなか買えないとあって、どうせ使っていない孫のものを有効活用というわけでしょう。
この間は赤線入りの女子用のものを爺さんがかぶっているという風景がありました。
それにしても、確かに事故時に頭部を強打して死亡という事故例が多いのでしょうが、それでもヘルメットをしていれば無事というわけでもないでしょう。
頭部損傷による死亡は避けられたとしても他の部位の損傷による死亡、あるいは重傷というのはかなりありそうなことです。
今のように車道がほとんどで歩道は隅にちょこっと。自転車通行帯などはほとんどないという道路状態では常に自転車対自動車、自転車対歩行者、自転車同士の事故が頻発するのは避けられません。
しかもこういった状況は以前から問題視される意見がありながら、道路の改善はほとんど進まない状況です。
いや、自転車専用通行帯だけでなく、歩道すらまともに無いという道路すら多く、それが通学路となっていて学童の交通事故が頻発という道路すら手も付けられないまま放置されています。
自動車がスピードを出して走れるのは完全に歩行者自転車と分離できる道路だけで、混在する道では徐行が当然なのですが、それすらやろうともせずに放置されています。
歩行者、自転車の事故死傷者を減らそうとするなら、こういった道路の改善が不可欠であり急務であるにも関わらず何の手も打とうとしない。
それでいて事故犠牲者が増えるのは問題とばかりに、自己責任でしかも自己負担ですべての人にヘルメットを買わせようというだけの対策。
こういったところにも日本の政治というものの欠陥がはっきりと表れています。
それでも事故で被害を受けるのは自転車に乗る人ですので、私もそろそろヘルメットを購入しようかと思ってはいますが。