袴田事件は東京高裁が再審開始の決定をしました。
検察が特別抗告をしなければ再審が始まりますが、どうでしょうか。
決定の中では証拠とされた血痕のついた衣服についても捏造の可能性が強いとまで言及されています。
当時の捜査体制と共に、検察による裁判対応も強く批判されているというべきでしょう。
しかしこういった冤罪事件は犯人とされて有罪判決を受けた人がクローズアップされますが、その事件では犠牲となった被害者がいます。
袴田事件でも4人、熊本で起きた免田事件でも4人の方が殺害されています。
どうやら免田さんも袴田さんも無実であるようで、その方々に無罪判決を行なうのは当然なんですが、では「真犯人」はどうしたのでしょうか。
冤罪事件の問題点は、無実の人を罪に落とすということもありますが、「真犯人が見つからないままうやむやになる」ということもあります。
多数の犠牲者を出した事件だからこそ、警察も焦って捜査を行ない冤罪を作り出したのでしょうが、それで何十年もの空白を作りもはや真犯人や事件の真相などは求める術もありません。
もはや犠牲者の遺族も残っているかは分かりませんが、その方々の心情は真犯人を間違いなく探し出して罰してくれというのがせめてものことでしょう。
その道を完全に閉ざしてしまう、冤罪を作り出すことの罪深さはここにもあります。
検察もこの上は特別抗告などという恥の上塗りなどせずに、真剣に反省の意を示すべきでしょう。