このブログではエネルギーについて色々と書いています。
私にはある未来像が見えていてそれに従って現状を判断していますが、それをこれまではっきりとは明示していなかったように思います。
そのため、もしかしたら私が書いたものを読んでもイメージがわかないということがあるのかもと思い至りました。
そこで小説苦手の私ですが、エネルギーがこの後どうなっていくのか、フィクション風に描いてみます。
ただし、登場人物等はありませんので、やはり小説とも言いにくいものでしょう。
また未来予測と言いたくてもさすがに大きな事件が多発すれば世界の動きも影響を受けますので想像の範囲をはるかに越えるでしょうから、はっきりとは言えません。
まあ、「こんな未来もあるのかも」程度と思ってください。
それではスタート
1.かなりありそうな近い将来
化石燃料脱却を主張する脱炭素派は太陽光発電や風力発電を「持続可能エネルギー」などと称してその普及をゴリ押ししてきたが、その化けの皮はすぐにはがれた。
それらの装置の製造や維持管理、廃棄に至るまでほとんど全ては化石燃料エネルギーに依存しており、「安い石炭火力発電電力」で製造することでなんとか経済性があるかのように(それでもFITなどという詐欺的政策が無ければ不可能だったが)見せかけてシェアを伸ばしてきたものの、ロシアのウクライナ侵攻で激化したエネルギー価格高騰で「持続可能エネルギー」の製造費も高騰し一気に収支は存続不可能なまでに悪化した。
それでなくても高騰していった電気代にあえいでいた国民はエネルギー業者に金を貢ぐだけになっていたFITに拒絶反応を示し、政府と国会を動かして法改正、存在意味の無くなった各地の太陽光発電、風力発電設備は廃墟と化した。
もはや世界的にも意味を失っていた脱炭素化という掛け声も嘘のように消えてそれまで通りの化石燃料依存経済に舞い戻り、これまでの動きが夢幻のように思えるだけとなった。
しかし、これで化石燃料の消費速度を速めることになってしまい、本当の危機「化石燃料供給の限界」により早く近づくことになってしまう。
2.ここから先は不明瞭な将来
化石燃料供給危機といっても一本道で進むわけではない。
いくら減少しているといっても、石油でもまだ数十年分、石炭は数百年分は十分に残存しており、急に全てが無くなるわけではないが、そこに原産国、大量消費の先進国、これからエネルギー消費を拡大して経済成長を目論む途上国など世界中の思惑がぶつかり合い、至る所で紛争を引き起こし、それがさらに需給バランスを崩し、供給ルートの破壊も起きるなどさまざまな事件を繰り返しながら世界全体の破滅に向かって進んでいく。
世界中が太陽光発電や風力発電に見切りをつけて、石炭火力発電、石油燃料自動車に舞い戻ることで、特に資源残存量の少ない石油で確保の競争が激しくなり、それにまつわる紛争も激化する。
特にアメリカと中国の争いは多くの場面で激化し、一見するとさまざまな方面から起きているようにも見えるものの、その奥底には必ず「エネルギー争奪」が隠れているというものになる。
これで「最終決戦」となってしまえばもう「その後の将来」はなくなってしまうかもしれないが、まあここはそれだけは回避できたとして続けていこう。
そこまでひどい戦争が起きないにしても、地域紛争はあちこちで勃発し、その度にさまざまな資源の生産や物流が混乱し、価格高騰となる怖れが強い。
特に石油や石炭、レアメタルといった資源の価格が急騰するとそれに従い多くの物品の価格も高騰するということはウクライナ紛争に例を見ても明らかなように、頻発することは間違いない。
それがエネルギー価格に関わってくると社会不安が増大し不安定さが増してくる。
日本のように何があっても泣き寝入りという国民ばかりなら何も起こらないかもしれないが、世界のたいていの国では暴動や革命、内乱という事態になってくる。
エネルギーの供給が不安定になるとそれに依存している現代文明はすべてが滞ることになり、生産体制も停滞し商品流通も動かなくなる。
一時は経済成長で発展を目指した途上国もその力は無くなり政情不安が常態化する。
脱炭素化の悪夢から抜け出して昔のような成長を取り戻すかと見られた先進国もその勢いはなくなる。
結局は化石燃料はその枯渇までにはほど遠い状態のままで、人類社会自体が崩壊を始めるのかもしれない。
「戦争エンド」になってしまった。
これでは進まないのでそれ以外のエンドを目指して次回に続く