内田樹さんのブログ「研究室」で、某県立大学の無償化を提案されたという話です。
大学の授業料はかなり高額となっており、日本でも一昔前の公立大学は非常に安い入学金・授業料だったのが急激に上げられてしまいました。
「大学を出て高給取りとなるのだから高い授業料もやむを得ない」という考えが強まったのでしょうが、その結果として大学そのものが実業界へすり寄るようなこととなり、ごく一部の短期的な効果が見込まれる分野だけに注力するという結果になってしまいました。
内田さんが書かれている実情はまさにその通りで、現在の大学納付金は高校生自身が払えるような額ではなく、金主としての親が出さざるを得ないということとなり、親の意見に逆らえないことともなります。
学生が自らの意志で進路を選ぶということも難しくなり、親の意見で「生活安定路線」を選ばされるという事態にもなりがちでしょう。
そこで、久々に某県知事から懇談に招かれた時に、同じく招かれた鷲田青一先生が知事に提案したのが「県立大学無償化」だったそうです。
県立大学ならさほど規模も大きくないので影響も少ないとか。
まあ難しい話でしょうが、それを受け止めるだけの器量がその知事にあるかどうか。
しかし、その県立大学だけでなく国公立大学すべてで考えるべき問題でしょう。