爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ウクライナ戦争の教訓を何も理解できない人々

表題のような、そういった連中が政権の座に就き、アメリカの意思通りに動いているという話です。

 

ただし、彼らは「教訓を理解できていない」のですが「それを上手く利用する」術には非常に長けており、まんまと国民に防衛費増額が必要と信じ込ませてしまいました。

 

ウクライナ戦争の教訓とは、それほど難しい話ではありません。

「日本はミサイル戦争はできない」ということです。

そんなことは明らかなのですが。

 

ウクライナにもともとどの程度のミサイル迎撃システムが備えられていたのか分かりませんが、戦争初期には全土にミサイル着弾があり多くの被害が出ました。

その後、アメリカやヨーロッパ各国から兵器の供与を受け迎撃ミサイルも備えられてきたはずです。

しかし現在でも飛来するミサイルを完全に防御することは不可能です。

ロシアはすでにかなりのミサイルを消費しており同時に発射されるミサイルはさほどではないのでしょうが、それでもこの状況です。

ましてや戦争初期で多数のミサイルを様々な軌道で発射できる場合であれば、いかにアメリカ製のミサイル迎撃システムであっても相当数のミサイル被弾は避けられないでしょう。

 

そして、そこから先がウクライナと日本の地理的条件の決定的な差が効いてくるところです。

一言でいえば、日本はあまりにも重要施設や人口稠密地帯が集中しているということ

これが、ミサイル戦争時代に日本が間違っても戦争などしてはいけない最大の理由です。

ただの一発のミサイルでも迎撃システムをすり抜けて着弾したら、たとえそれが核弾頭ではなく通常兵器でも日本の息の根を止める危険性が大きいということです。

 

ウクライナはロシアと比べると小国のように感じますが、実際には国土は約60万㎢、人口4400万人の相当な大国です。

しかも国土はほぼ平坦な平原で、都市は最大の首都キーウでも人口300万人、さほど集中したところはないようです。

それに比べて日本は東西南北に長いという特徴はあるものの、ほぼ関東から近畿の部分に全てが集中しています。

もしも日本を攻撃しようという勢力があれば、各地の米軍基地は別としてとにかく東京近郊に大量のミサイルを様々な軌道で同時に発射すればほとんど一瞬で国としての息は止められたも同然でしょう。

しかもその後占領するといった思惑もなければ、ミサイルをついでに近畿地方日本海側の原発集中地帯に打ち込み、そのうち1基でも破壊すればもはや日本の中心部は崩壊します。

この脅威を除くためにアメリカのミサイル迎撃システムを導入し、さらに敵基地攻撃能力とやらを強化して抑止力としようというのですが、そんな綱渡りをして国民の命を危うくするのがまともな政治でしょうか。

 

ミサイル迎撃システムをかなり導入したはずのウクライナでも発電所などの防衛はほぼ不可能となっており、多くが破壊されています。

日本はそれが可能などと言うのは夢物語でしょう。

 

しかし、どうも今回の防衛費増額という話は最初に金額が決まっていたかのように見えます。

何をどれくらい装備するなどと言う話が出る前にGMPの2%だの総額43兆などと言う数字ばかりが言われています。

何かおかしなものを感じざるを得ません。

結局はそのほとんどをアメリカの兵器代として吸い上げるためだけではないのか。

そんなもののために莫大な税金を取り上げられ、生活を破壊され、それでも黙って自民党を支持し続け、投票し続ける。

まったく幸せな国民たちです。