上記2人の対談の記事がプレジデント誌の10月24日号に掲載されましたが、それについてNATROMさんが厳しい批判を繰り広げています。
対談の主導権は和田氏が取っているようですので、批判の先もそちらに向かっています。
和田は現在の通常の医療、病院の在り方、健康診断と言ったものに対して批判を繰り返しているということです。
冒頭はその根拠として財政破綻した北海道夕張市で市民病院が閉鎖されても市民の死亡率はほとんどの病気で下がったと主張しています。
これについてNATROMさんは多くのデータを示して反論します。
まず「多くの病気で夕張市の死亡率が下がっている」のかどうか。
その結果は、肺炎と心疾患死は減少していると言えるものの、がん(悪性新生物)は横ばい、脳血管疾患は増えています。
また明らかに増えているのは老衰ですが、これは夕張市では病院減少のために医師の訪問診断が増えており、在宅で看取りをされた場合は老衰氏と診断されることが多いための現象です。
実は、夕張市では市民病院は廃止されたものの、それ以上に開業医の頑張りで訪問医療が充実しており、そのために予防医療も効果を上げていますが、そこで行われているのは和田氏の主張するようなものではなく、現代の標準的な医療行為であるということです。
なお、対談のこの箇所で繰り広げられる自らの体験談は、「悪くなったら病院へ行く」ことであり、「病院に行かない方が健康だ」という主張とは一致しないものです。
なお、和田氏の経営するクリニックの治療についても紹介されていますが、標準的な医療とはかなり違うものを、自己負担のものとして相当な高額で提供しているようです。
それが「病院が無い方が健康」とどう関わるのかも疑問があるようです。
なお、このプレジデント誌の記事作成の際にはNATROMさんにも取材があったそうですが、そちらはほとんど記事にはなっていないようです。
さすがに売れる記事にはなりそうもありません。
このような対談によく相手として出てくる養老さんですが、対談の主導権は相手にあったとしても上手にそれに合わせる発言をするようです。
なかなか達者なものです。