ニセ医学情報と闘う内科医「NATROM」さんのブログより、HPVワクチンをめぐる問題についての指摘です。
natrom.hatenablog.comHPVワクチンとは、ヒトパピローマウイルスに対するワクチンで、これに感染した場合は子宮頸がんにかかることが多いということで、このワクチンの接種を進めたのですが、原因不明の副作用で激しい痛みを感じることが発生したために接種率が低下しままとなっています。
これについて、どうやらつくば市議会で議員の小森谷さやか氏という方が数字を挙げて発言したそうですが、その数字に誤りがあったということです。
これについて、市民ネットワークという団体から誤りを指摘した公開質問状を出した所、議員の返答として、「厚生労働省の出した数字がある」「国会での質疑で討議の記録がある」から間違いないということが出されました。
しかし、NATROMさんの以下の説明によれば、
これは当時参議院議員であった「はたともこ」氏が国会質疑で出したものであり、厚生労働省から出された数字を間違えて引用したものということです。
ただし、これについても「はたともこ氏」に指摘しているもののいまだに本人が訂正した発言はなく、その質疑の事実だけが残っています。
NATROMさんが問題視しているのは、そのような「国会質疑」自体をそれだけで事実であるかのように価値付をして利用する人々が居るということです。
これを「ファクトロンダリング」と呼んでいますが、国会質疑などはその内容の正当性などは望むべくもないのですが、それが国会で話されたというだけであたかも事実であるかのように語られることがあります。
上述のHPVワクチンの有効性について言えば、この発言での有効性は「10万人に7人」、一般に認められている数字は「10万人に860人」程度であり、その差は100倍以上ですが、それをどの程度と判断するかは人それぞれでしょう。
しかし、科学的に間違った判断にたつ数字は使うべきではないでしょう。