爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

リスク学者永井孝志さんのブログより「なぜコロナの死者数は増えているのに世間での関心は減り続けているのか」

昨日の検査の結果、私自身もコロナに感染してしまいました。

自宅療養であればあまり変化はありませんが、高齢者でもあり高血圧でもあり、どうなるか。

 

オミクロン株の流行となってから確実にコロナ感染者の死者数は増えています。

しかし世間の関心は減り続けており、観光の再開や海外からの旅行者の制限解除といった話題が溢れています。

これに対して、永井さんのブログは解析を試みます。

nagaitakashi.net

死者数が増えているということは永井さんの作ったグラフを見ても一目瞭然、今年7月から9月の第7波では13688人の死亡者が出ています。

 

この後は永井さんが世間のリスク意識の解析という手法を用いていますが、「コロナ」という単語でのネット検索の数は患者数も死者数もごくわずかであった第1波などの時にはかなり多かったのが、徐々に減少し第7波ではかなり少なくなっています。

これはツイッターでの取り上げられた数でも明白で、関心が薄れているということが分かります。

 

この要因はやはり「ニュースは珍しいこと」という意識なのでしょう。

もういくら感染者が増加しようが、死者が出ようが、「珍しくはない」ことになってしまいました。

そうなるとニュース価値も下落しています。

今日も何人死亡したという記事はニュース価値がありません。

たまに「基礎疾患のない子どもが死亡した」というものが出ると少しニュースに出てきますが、その程度です。

 

統計的数字は個人の情報よりもはるかに心理的インパクトが弱いものです。

1万人が死んだという情報は聞き流しますが「志村けんさんがコロナで亡くなった」というニュースは多くの人が大きな衝撃を受けました。

これも数字だけでは心理的な影響が受けられないということでしょう。

 

それと、感染初期のように感染者も死者も少ない状況であれば自分が頑張って対策をすれば防げるかもと思わせるものだったのですが、もう全国どこでも多数の感染者が出てくるようになると、自分が何をしてもどうしようもないという、「焼け石に水効果」となっているというのもその通りでしょう。

 

いや、この点はちょっと永井さんとは意識が違い、「そもそも感染防止対策」なんていうものはほとんど効果が無かったということではないでしょうか。

それがたまたま感染者が少なかったので効果があるように見えていたが、どこでも感染者がいるようになれば防ぎようもないということが明らかになったのでしょう。

 

医療関係者などはこの雰囲気は危険だと大きな声で警鐘を鳴らしていますが、もうこうなってしまえば止まりようもないでしょう。