爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

リスク学研究者永井孝志さんのブログより、「2020年コロナ禍で高齢者の死者数は減り若者と女性の幸福度が減った」

リスク学研究者の永井孝志さんのブログはいつも注視していますが、今回見た記事では「2020年にコロナ禍のために、高齢者の死者数が減り、一方若者と女性の幸福度が減少、自殺者が増加した」ということが解析されていました。

 

nagaitakashi.netコロナウイルス感染で死者は出てはいますが、全国での総死者数といった統計的数字に影響を及ぼすほどではありません。

 

しかし、その対策が取られることで通常であれば多くの高齢者の死亡をもたらしていた他の感染による肺炎、気管支系の疾病による死者数が明確に減っていたようです。

 

こういった感染症がやはり人と人との接触で広まっていたのは明白であり、三密防止といったコロナウイルス対策として言われていたことで他の感染症の拡大も防ぐことになりました。

なお、このような状況は欧米各国ではかなり異なり、コロナウイルスによる死亡者数が多いため死者数も増えているとか。

いくら日本で感染拡大と言っても、欧米などと比べれば社会全体への影響は少ないということでしょう。

 

喜んでばかりはいられないというのが、その後の記述です。

 

別の統計で、内閣府の実施する「満足度・生活の質を表す指標群」調査というものがあり、いわゆる「幸福度」を表します。

 

その調査で、全体として幸福度は低下しているのですが、特に10代、20代の若者層の低下度合が激しく、さらに男性より女性の方が低下しています。

 

ただし、細かく見ると世代別の数値には違う影響も見られ、2020年5月調査では高齢者の低下度合が大きかったものが12月調査では高齢者より若年者の方がさらに低下しています。

これは、5月にはコロナ禍拡大の報道が相次ぎ実際の感染拡大以上に不安が大きかったのが、12月には経済のさらなる悪化で若年層の失業や失業不安が増加したのではないかということです。

 

さらに自殺者数がかなり増加していることも触れられています。

特に、30歳未満の男女、30歳から45歳までの女性で自殺者の増加が目立っており、特に飲食業従事者が多い年代層ですので、失職や給与激減といった状況が影響しているものと考えられます。

 

実際の感染拡大以上に経済不振による影響の方が強いということがはっきりとしているのでしょう。

 

緊急事態宣言解除ができるのかどうかという瀬戸際ですが、まだまだ続くようであればさらに経済情勢は悪化し、追い詰められる人々も増えるのでしょう。

感染拡大の危機というものが、もしも「医療機関の逼迫状況」が最大であるなら、これまで1年以上ほとんど何の対策もできなかった政府や自治体の怠慢にその最大の責任があると言えるでしょう。