コロナ禍やウクライナ情勢の影響で海外からの原油や穀物価格が上昇し、物価が上がってきていますが、その対策として政府は2兆7000億円の支出を決め、それらの財源はすべて赤字国債で賄うそうです。
デフレで困窮した経済を立て直すと称しアベノミクスをやっていた頃は、「2%の物価上昇を目指す」としていたのですが、今回のような輸入物資の価格上昇に伴う物価上昇というのは目指していたものとは違うようで、「緊急対策を」と言うことです。
確かに収入も増えないのに商品の価格ばかりが上昇しては困るのは間違いないのですが、さて対策をといっても何をするつもりでしょうか。
石油価格の上昇に対しては、輸入元売り会社に対する補助金注入というおかしなことをやりました。
他の輸入物品の価格上昇にも似たようなことをして抑えるつもりでしょうか。
こういった対策が対策らしく見えるのは、あくまでもウクライナ情勢などが静まれば元の価格に戻るだろうからそれまでの辛抱だということでしょう。
しかし本当にそうでしょうか。
ウクライナやロシアの輸出が多かったコムギなどや、コロナ禍による物流停滞による価格上昇はそれが言えるかもしれません。
しかし石油や天然ガスの価格上昇はそうとばかりも言えないでしょう。
ロシア産の燃料の禁輸で価格が上昇しているのは間違いないですが、それが無くても現在の不自然な代替エネルギー開発という経済性無視の施策でかえってエネルギー価格は上昇するはずです。
となれば、ウクライナの情勢が落ち着いたとしてもエネルギー価格は戻らず高値のまま、あるいはさらに上昇ということもあるかもしれません。
となれば、この価格上昇は一過性のものではなく今後も続くかもしれません。
そうなれば日本政府のような補助金で価格上昇を抑えるということは意味がなく、高いエネルギー価格に合わせた社会体制の構築こそが急がれるものであり、つまりエネルギーを使わなくても良い社会への移行ということです。
バラまいている国費はそちらに使うべきであり、このツケはまたも将来を暗くするばかりでしょう。
赤字国債などいくら増発しても大丈夫とばかりの情勢が続いていますが、いつまでも続くはずもありません。
いずれは国の財政崩壊から国全体の経済の大混乱に陥るでしょう。
その時に誰が責任を取るのでしょうか。