爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

ボージョレ・ヌヴォーとは何か、新酒を喜ぶ文化。

フランスブルゴーニュ地方のボージョレという地区で作られるワインの新酒、「ボージョレ・ヌヴォー」が販売解禁となったのが11月第三木曜日でした。

 

何となくお祭りムードということで喜んでいる人も居るのでしょうが、そこには「新酒」というものを喜ぶという日本の特性もあるようです。

 

ワインは専門ではないのですが、聞いた話で少し書いてみましょうか。

ja.wikipedia.org

このウィキペディアには「Beaujolais」のカタカナ表記についてなども書かれています。

ボージョレ」「ボジョレ」「ボージョレー」などいろいろあるようですが、フランス語の発音に一番近いのは「ボジョレ」だそうですが、英語に入った場合は「ボージョレ」に近くなるとか。

 

一般的にはお酒はだいたい長く貯蔵されたものの方が美味しくなると考えられていますが、ボジョレはワインの中でも珍しくその年の新酒を喜ばれるということになっています。

ボジョレブルゴーニュの一地域なのですが、他のブルゴーニュワインでは新酒というものは別に評価はされていないようです。

 

実はボジョレ・ヌヴォーと言えば「マセラシオン・カルボニック」つまり醸造中に炭酸ガスを封入することで発酵を早く進めるものだと思っていたのですが、この方法も最近始められたもののようです。

これにより嫌気的条件となるために果実中の成分滲出を速めるようです。

ただし、他のワインと異なる反応ともなるためにかなり成分の特性が異なるようです。

 

このためか、保存しておいても品質が上がることはなく、その年のうちに飲んでしまう方が良いそうです。

なお、この辺の「ワインの貯蔵」には勘違いもあるようで他のワインでも「長ければ長いほど良い」ということはなく、ワインの成分によって「適度な貯蔵年月」というものがあるようです。

 

さて、世界の中でもボジョレ・ヌヴォーを喜ぶ度合の強いのが日本であるようですが、そこには間違いなく日本酒の「新酒嗜好」があるでしょう。

日本酒はその年に収穫されたコメを原料として醸造され、地域によって差がありますが早い所で10月くらいでしょうか。

ただし、かつては室温醸造でしたのでまだ暖かい時期には雑菌混入の危険性も強かったために寒くなってから醸造を始めると言うことも多かったようです。

それでもだいたい年末から年明けに新酒として販売されるのでしょう。

 

日本酒も新酒が喜ばれるとはいえ、出来立てのものはやはり調和がとれず荒々しいものと言えるのかもしれません。

それでもワインほどはその影響も小さいということがあるのでしょうか。

それよりも「新しいこと」を好むという日本人の性格の特性が影響したのでしょうか。

 

焼酎など蒸留酒はほとんどは貯蔵して年代物となった方が品質が良くなり売値も高価となるのですが、芋焼酎の場合は新酒として売られるものもあるそうです。

他の焼酎や蒸留酒と比べても芋焼酎は原料の香が残りますので、それを喜ぶという習慣があるのでしょうか。

しかし、アルコール度数もかなり強いためその荒々しさはかなり強いものと思います。

 

まあ、どうしても「新酒解禁」というものをお祭り騒ぎにしていきたいという思いもあるのでしょう。

それで売り上げを上げたいということなのかもしれませんが、やはり味を楽しむということを忘れては欲しくないものです。

そういう意味では、このような「ボージョレ風呂」などは論外でしょうね。

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