爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「図鑑 心理学」トム・ジャクソン著

心理学といっても色々な分野があり、歴史的にも古代ギリシャから続くものがあります。

それの細かい部分は専門書を当たらなければなりませんが、概観ということがなかなかできません。

その意味では、心理学に関係する歴史、様々な分野の発達など、図や写真とともに示してくれる本書は役に立つ面もあるのかもしれません。

 

ただし、きれいな図版と写真が各ページに掲載されてはいますが、それで分かりやすいかと言うとそうでもないなという印象です。

まあこれは私が文章派であるからかもしれませんが。

 

心理学とは言えないでしょうが、最初はエジプトのミイラ、古代ギリシャヒポクラテスなどから始まります。

しかしそれぞれがせいぜい1ページほどの説明ですので、大まかな概要だけです。

 

医学分野以外で本当に心理学というものが独立して動き出すというのは、19世紀末のヴィルヘルム・ヴントからなのでしょうか。

ヴントは「実験心理学の父」とも言われるそうです。

作られたのは最近有名になっているジョンズホプキンス大学の中でした。

 

最近の事例は他の本などでもおなじみのものが数多く紹介されています。

ワーキングメモリースタンフォード実験、PTSD、フォールスメモリ等々

 

最後の「心理学に残された問題」も参考になります。

ESPは存在するか。

なぜ夢を見るのか。

道徳性は何に由来するのか。

精神的健康と腸内細菌は関係あるのか。

人工知能は心理学的知識を身につけるのか。

 

心理学もこれからまだまだ多くのテーマを解決していかなければならないようです。