現在接種が行われているファイザー社製のワクチンに続き、モデルナ社製とアストラゼネカ社製のワクチンが承認されましたが、アストラゼネカ社製ワクチンは「当分の間使用しない」という扱いになりました。
どういうことなのか、よく分かりませんでしたが、新型コロナウイルス感染について医学情報を盛んに発信されている医師の忽那賢志さんが記事を発表されていました。
アストラゼネカ社製ワクチンを接種した人で稀に血栓症が発症するということで、国によっては接種を中止するといった対応をしていますが、それでも接種すべき対象者というのが居るのでしょうか。
これも知らなかったことですが、ファイザー社製ワクチンがmRNA ワクチンであるということは知っていたものの、アストラゼネカ社製ワクチンは「ウイルスベクターワクチン」というまったく異なる技術を用いたものでした。
これは、人体には無害なウイルスをベクターとして用い、目標とする新型コロナウイルスのスパイク蛋白の遺伝情報を載せて接種して免疫を作らせるというものです。
この場合、ベクターとしてはチンパンジーのアデノウイルスを無害化したものを用いています。
ファイザー、モデルナ両社のワクチンとの比較が一覧表になっていますが、有効率が90%以上に対し70%、変異株に対しての効果がかなり落ちるといった欠点はあるものの、やはりかなりの有効性があるということです。
気になるところはやはり、血栓症を誘発する危険性があるというところでしょうが、その確率は今のところ10万分の1といったところのようです。
また、大きなところでは保存条件が2‐8℃の冷蔵で良いということで、ファイザーワクチンのように極低温冷凍庫が無い条件では有利です。
ただし、確実にファイザー社製ワクチンより有利な条件があり、それは「mRNAワクチンにアレルギーがある人」「PEG(ポリエチレングリコール)にアレルギーがある人」に対してはファイザー社製ワクチンは接種できませんので、これらの人にはアストラゼネカ社製ワクチンが使える可能性があります。
さらに広範囲の「薬剤アレルギーがある人」「アナフィラキシーショックを起こしたことがある人」に対してもアストラゼネカ社製ワクチンの方が安全ではないかということです。
そういった選択が落ち着いてできるような状況なら良いでしょうが、現在のワクチン接種のラッシュ状態でどこまで考慮できるかといった問題はありそうです。