爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

蓄電池について

私は蓄電池などにはまったくの素人ですが、これからの時代の電力やエネルギーにはこれが非常に大きな役割を果たすと思います。しかし、その影響の大きさの割には現状や将来に関して情報があまりにも少ないようです。

研究開発も鋭意進められていますと言うばかりで何がどのように進んでいるのか、そして最大の関心事はどこが一番危険なのかということで、それについては誰も語ろうとしません。

微力ながら、どのようなことが想像できるか素人なりに推測してみます。

 

 

蓄電池(充電池とも言います)をどうするか、それが今後のエネルギー戦略の焦点とも言えます。

 

携帯電話、スマホなどの蓄電池の充電に悩まされている人も多いでしょうし、電気自動車、ハイブリッド車などには大きな蓄電池が載せられていることはご存知でしょう。

 

さらに、太陽光発電風力発電など、いわゆる”再生エネルギー” (繰り返し言っていますが、ぜんぜん”再生”していません)が少しでも使い道を広げるためには蓄電池の併設が必須です。

 

現存の蓄電池では、そのような未来の電力を支えるにはまったく能力が不足しています。

コストが高い、蓄電容量が少ない、必要な原料の資源が希少、重すぎる等々の問題点が山積です。

 

政府もこれが将来に向けて大きな課題となることは認識しているようなポーズは取っています。

http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_problem_committee/028/pdf/28sankou2-2.pdf

 

ただし、一般向けの広報には「バラ色の未来」的な記述で「各家庭に蓄電池を備えるようになるかも」などと無責任なことを書いています。

www.enecho.meti.go.jp

現在でも多くの研究者が蓄電池の開発研究を進めています。

二次電池 - Wikipedia

しかし、現状で実用段階になるのは、鉛、リチウムイオン、ニッケル水素といったものでしょうか。

 

鉛蓄電池は自動車用のバッテリーなどにも広く使われていますが、重量が重く硫酸が使われているなど、大量化には難しい面もあります。

リチウムイオン電池は、スマホなどにも使われていますが、多くの利点はあるものの発火しやすいといった欠点もあるようです。

ニッケルを使ったものも実用化されていますが、多量になった場合に資源が不足しないか疑問があります。

 

 全世界の自動車台数(4輪)は2016年で13億台だということです。

それに対し、電気自動車(ハイブリッド含む)は310万台、2030年には1億2500万台まで増加ということです。

自動車すべてを電気化するということは、それぞれに蓄電池が載るということです。

さらに、使い物にならない太陽光発電風力発電の発電電力の平準化のために蓄電池を使うということも言われています。

こちらは、自動車のように可動式にする必要はありませんが、電気容量ははるかに大きなものが必要となるでしょう。

その蓄電池総量は莫大なものとなり、使用する原材料の資源に供給不安があるものは使うことができないでしょう

 

AIや車の自動運転など、電気を使う使い方についてはいろいろと開発が進みバラ色の未来のようなイメージもあるかもしれません。(ロボットが人間の雇用を奪うかもしれませんが)

しかし、肝心の電気の供給に不安があるということは紛れもない事実でしょう。

小手先のつじつま合わせでスマートなどと言っても電力総量が不足してくれば手も足も出ません。

石油石炭などの火力発電に陰りが見えたらこの電気任せ社会も陰ると言う覚悟を決める必要がありそうです。