ゲノム編集という遺伝子技術を用いた農作物が開発されており、それがどのような形で流通されるかということも問題となっていますが、その手法で作られたトマトが登場するということが話題になりました。
筑波大学とサナテックシードという会社が開発したということで、ヒトの血圧上昇を防ぐと言われているGABAをたくさん含む性質を強化したものと言うことです。
これについて、新聞各社も報道はしているのですが、その内容に各紙でかなり違いがあるということを、小島正美さんが書いています。
商品として発売される場合、「ゲノム編集」であることをどうやって表示するかということが問題となっていましたが、このトマトの場合最初に「無料で家庭菜園用に苗を提供する」という手法であることを発表しました。
そして、この点についての報道姿勢が新聞各社によってかなり違いがあるということです。
この「苗の無償提供」について、
朝日はまったく触れていない。産経も。
毎日・読売・日経は簡単に一文で触れている。
なお、報道ではないが日本消費者連盟は強く反応して反対表明。
といった違いが際立っているようです。
なお、その書き方として批判的に書くか好意的に書くかも各社多様ですが、東京新聞はこれまではゲノム編集に対して批判的な記事を書いていたのが、この無償提供はそういった色合いがなく、「東京新聞どうしちゃったの」と小島さんも書かれています。
また、産経はこういった技術は推進する立場なのですが、無償提供にはまったく触れられておらず、これも不思議とか。
これまでの遺伝子操作技術とゲノム編集の違いをどう理解するかということは難しい話だと思いますが、まだ報道各社の姿勢は固まっていないようにも見えます。