鶏卵大手アキタフーズの前代表が元農相に500万円を渡したというニュースは贈収賄事件に発展するものとして大きな関心を集めていますが、その裏にあるものを小島正美さんが自身のブログ「FOOD NEWS ONLINE」で書いています。
この前代表には小島さんも以前から面識があり、「鶏卵業界の問題について熱心に取り組み安全な鶏卵を消費者に届けることを目指していた」方だったそうです。
特に、鳥インフルエンザ対策として鶏へのワクチン接種を認めるように運動をしていたそうです。
ちょうど現在も全国各地で鳥インフルエンザが続発し、発生した養鶏場ではすべての鶏を殺処分、数万羽、数十万羽という話が続いています。
このような状況に対し、ワクチンを鶏に与えることでインフルエンザ感染を防ぐことができるのですが、日本ではそれが認められていません。
その理由は以下の通りです。
ワクチンはウイルスを弱毒化または不活性化したものです。鶏に接種すれば、抗体ができて健康に育つわけですが、いったんワクチンを認めると、その抗体が自然に発生したものか、ワクチン接種によるものかが判別できなくなるというのが国の言い分でした。
簡単に言えば、抗体が見つかると鳥インフルエンザの発生国とみなされてしまう。すると、貿易に支障が生じるというのです。この方針は今も変わっていません。
この状況を何とかしたいと、前代表は国会議員などに働きかけを続けていました。
その行為が結局は有力政治家に対する賄賂疑惑となってしまったということなのでしょう。
小島さんも彼の努力の目標は認めながらも、その手段を誤ってしまったことを非常に残念に思っています。
報道を通じ、国民に広く訴えかけて世論の盛り上がりを待つべきではなかったかと。
殺処分が相次ぐ現在こそ、(すでに330万羽を越えたそうです)それが求められるのでしょう。
ただし、小島さんは新聞記者として長年活躍されてきたので、新聞記者の正義感や役割に期待をかけているのでしょうが、現在の記者はその期待に応えられるでしょうか。
どうも政府寄りの記事ばかり書いているようにも見えるのですが。