爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

接触確認アプリ「COCOA」が役に立たない理由

新型コロナウイルスの感染者が拡大していますが、感染確認された人と接触したという人を迅速に見つけ出し、検査を早くすることで感染拡大を防ぐという目的で、「接触確認アプリCOCOA」というものが運用されています。

 

しかし、まだ毎日数百人の新規感染者発見という中でもこのアプリで見つかったという人はほとんど無いということは聞いていましたが、その実情です。

toyokeizai.net東洋経済オンラインに、野口悠紀雄さんが書いています。

 

なお、野口さんのお名前には見覚えがありましたが、何冊かの本を読んでいました。

御年が79歳ということですが、いまだに最先端の社会の動きに積極的に関わっておられるようです。

 

COCOAは今年の6月から利用可能となったそうですが、もともと人口の6割以上が参加しなければ有効ではないと言われてきました。

しかし、いまだに1割程度の参加率にとどまっています。

これを導入する国民の側でも何らかのインセンティブ、つまり「入ってて良かった」と思えるものがあるかどうかですが、少なくとも「感染者と接触したことが分かったら、優先的にPCR検査を受けられる」程度のものがなければだめでしょう。

 

ところが、いまだにそこが上手く行っていないようです。

 

まず感染者の情報が素早く入らなければ動きません。

しかし、以前は各医療機関からの情報はなんとファックスで届き保健所が手書きで処理したという、驚きのNESIDというシステムでした。

それが6月から一応HER-SYSというオンラインシステムに移行したのですが、自治体や保健所などの導入もなかなか進まず、さらに各医療機関の導入も遅れているようです。

 

さらに、COCOA接触が判明した人は即座にPCR検査が受けられているかどうかは、もっと悲劇的状況です。

8月23日時点の調査で、接触判明した人の8割が検査をすぐには受けられなかったと答えているそうです。

「通知が来たけれど検査は受けられない」では、人の不安はさらに高まります。

結局、COCOAは国民の不安を高めるだけの存在だったということでしょう。