今から見ると古色蒼然とした本で、たまたま本棚で目についたので何十年ぶりかで目を通してみました。
著者はポール・ボネ、長く日本に暮らすフランス人実業家ということでした。
出版は平成2年、内容は完全にバブル真っ盛りのものです。
当時読んだ時もこれはなんだという違和感はかなり有ったのですが、今回読み返したのを期に調べてみたら驚きました。
書き方からして、野党は口を極めて罵っているのに対し、同罪とも言える与党自民党には「ここを直して頑張ってもらいたい」と変に優しいのにはおかしな感じを受けていました。
すると、なんと、「ポール・ボネ」と言うのは実在せず、藤島泰輔という人が「週刊ダイヤモンド」という雑誌に連載していたシリーズ(70年代から藤島氏が死亡する90年代まで)を単行本としたものということです。
まあ、名前だけは聞いていた右翼論客の藤島氏ですので、この内容も納得です。
とはいえ、今のネトウヨとかいう人々とは違い、まだ右翼と言う勢力がそれほど力も無い中で発言していたのは、まあエラいとは言えます。
社会党などは反対するだけとボロクソ、消費税に反対し所得税減税は喜ばない民衆がバカ、農産物自由化に反対する野党も政治音痴といった具合で、それを実行している自民党政府には罵倒が及ばないのが苦笑を誘うといったところでしょうか。
なお、藤島氏はなんとあのジャニーズ事務所副社長のメリー喜多川氏と結婚していたそうです。
その子供が現副社長の藤島ジュリー景子さんだとか。これもびっくり。