マンガ「サザエさん」は、長谷川町子により書かれたもので、昭和21年に最初は「夕刊フクニチ」に、ついで「新夕刊」「夕刊朝日新聞」を経て、昭和26年からは「朝日新聞」朝刊に引っ越し、それから昭和49年まで連載されました。
その数は全部で6477話になります。
テレビアニメではまだ続いていますが、元の新聞連載は必ずしも子供向けの内容ではなく、時事や事件も入れ込んだものとなっています。
マンガの性質として、明記されていないものでも絵として描かれているものが多いということもあり、それが時代をおいて見た時に興味を引くとともに、何が描かれているのか分からなくなっているものもあります。
この本はそのようなサザエさんのマンガに描かれたものを一つ一つ取り上げ、簡単な説明を施したものです。
60歳を越えた私でも最初の頃の事項は分からないものが多数あります。
学生が帽子を被ってしまいしたが、当時の旧制高校生は丸帽、大学生は角帽だったそうです。
戦時利得者というのが居たということは薄々は聞いていましたが、まさかサザエさんのマンガにも出ていたとは。
旧軍の物資を私的に流用し利益を得た者のことで、例の児玉誉士夫などがそれにあたるそうです。
最初のマンガにはサザエさんの結婚風景が描かれていますが、実家で花嫁衣装に着替え、町を歩いて近所の人に挨拶し、料亭で結婚式というものだったそうです。
さすがに、その後昭和30年代半ばくらいからは覚えのある光景が現れます。
皇太子(現天皇)の結婚にまつわるあれこれは、まだ幼児であったとはいえ私の記憶にも残っているところです。
最後のあたり、昭和49年となると自分も大学生、熊本の大洋デパート火災も現れます。
一つ一つを読んでいくのは大変ですが、手元に置きパラパラと気になる年のものを読むというのが適しているでしょうか。
なお、このサザエさんのマンガの単行本の第1巻が、なぜか私の実家に昔から残っていました。
誰がいつ買ったのかも分かりませんが、それを読んだ覚えも残っていますので、この本の第1巻の部分は一つ一つ覚えのあるものでした。