著者の小幡さんは東大経済学部を卒業後大蔵省に入省、その後退職して投資家としても活動する経済学者です。
「投資」というものを軸に現在の資本主義を考えるという姿勢ということで間違いないのでしょうか。
現代は投資顧問会社という、他人の金を運用するファンドが大勢を占めていることで、これまでとは異なる投資行動に走っているそうです。
サブプライムも投資家はすべてバブルであることを知っていた。しかし、バブルには乗らないと投資家として失格とされるので、分かって乗っていたそうです。だからバブルが崩れるきっかけが起こると一斉に売りに走り、誰も買うものはおらずはじけてしまう。そこまでのシナリオであることも分かっているようです。
このような状況を著者はキャンサーキャピタリズム(癌化した資本主義)と名付けました。このようにして資本主義は暴走を繰り返し破綻に向かって進むだけなのでしょうか。