爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「九州古代王朝の謎」荒金卓也著

福岡在住の元中学教師の荒金さんの著書です。
九州王朝説を説いた古田武彦さんの影響を受け、新たに著者独自の発見をいくつか加えて7世紀以前には九州の倭国が日本における王朝であったことを主張するものです。
古田さんの著書を読んでいても思うことですが、これまでの大和朝廷一元論は元となる中国の史書などの記述をいかにも簡単に「これは誤記である」と断じてしまうことがあまりにも多いことが目に付きます。
大和の朝廷のみが古代から唯一の日本における王朝としてしまうとあまりにも他の資料との矛盾点が出てしまうからですが、これが7世紀までは九州王朝が存在し、大和朝廷はその後それを簒奪したとするとぴたりと多くが落ち着くように見えます。