爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「天ぷらにソースをかける日本人」斎藤隆著


㈱ライフスケープマーケティング会長の斎藤隆さんの本です。
「食MAP」という手法を開発し、選んだ世帯の詳細な献立、食材等のデータを毎日入力してもらうことで、単なる食品売り上げデータやアンケートなどによるバイアスのかかった調査ではなく実態に近い食卓の姿に迫ると言うものです。

家庭の食卓がどのようなものか、なかなか外部からはうかがい知ることが難しいもののようです。隣が何を食べているかも実際ははっきりとは分かりません。
天ぷらにソースをかけるのが当然と思っている人もいます。しかし、それがとんでもないと感じる人も相当数に上るのは想像できますが、その数ははっきり調べられては居ません。

また、化学調味料などはあまり使われなくなっているという風に思い込んでいる人も居ます。しかし、実際はかなりの料理に使われているというのも実態のようです。

関東と関西の味や料理の差と言うのはあるというのも大体の人は感じているでしょうが、この本の調査のように、たとえば雑煮の作り方、食材、またおでんの食材といった調査結果が表すものというのは貴重なデータと言えるでしょう。

惜しむらくはこれらのデータの使い道から決まってくるのか、東京大阪の調査に偏っているように感じられることです。全国規模でできればさらに貴重な調査になるのでしょうが、まあ無理な話でしょうか。