爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「労働ダンピング」中野麻美著


労働関係の弁護士をされている中野麻美さんの著書です。
全く法外な安賃金で働いている非正規就業者の問題は極めて大きいものですが、正社員であっても長時間労働で身体を壊す人は後を絶たないという状況も蔓延しています。
著者は様々な実例に弁護士として当たられているのでしょうが、挙げられている例はひどいものばかりです。

企業の国際競争力を高めるためと理由付けをされて労働条件を守る労働法規制緩和の名の下に次々と骨抜きにされてきました。
その結果がこのような状態となってしまいました。
これで本当に国際競争力は上がっているのでしょうか。はなはだ疑問です。

安部新政権の経済再生には雇用を増加させ給料も増えるという点も挙げられてはいます。しかし、少しばかり企業に金が入っても競争力アップの軍資金にされるばかりで労働者にはほとんど回らないのは目に見えています。これからも良くなる見込みはほとんど見当たらないように思います。