爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

大相撲暴力問題 貴乃花に処分だが、それに対するマスコミの論調がおかしい

相撲協会貴乃花親方に対しての処分案を決めたということです。

あいかわらず、テレビ番組ではその報道が延々と続いています。

 

ようやく貴乃花に対しての相撲協会側の聴取が始まったということで、貴乃花の弁明も漏れ伝わってきましたが、私などそれを見て「貴乃花終わった」と思ってしまったのですが、どうやら世間にはそうは感じない人も多いようです。

 

曰く「僕って悪くないもんね」「相撲協会には警察から連絡が行くと思った」等々、子供じみた幼稚な弁明であり、もうまともに考える必要もないレベルと感じたのですが。

 

対して、相撲協会の危機管理委員会からの報告書は論理的で冷静なものであり、他を納得させられるものと感じました。

https://mainichi.jp/articles/20171229/k00/00m/050/047000c

 

当然のことながら、ここでは「貴乃花親方についての調査報告書」とされており、暴行事件自体についてはすでに詳細は触れていません。

相撲協会という組織について、貴乃花の組織人としての行為の問題について報告されています。

 

相撲協会という組織が、その前近代的な体制、すなわち「部屋の管理者としての親方」と「協会の役員」というものが分け難く両立しているという体制に依っているのが、このような混乱の要因なのですが、そこもはっきりと認識できていない人も居るようです。

 

貴乃花の行動は「被害者の保護者である師匠としての行動」だけに特化しており、「相撲協会の理事であり、巡業部長」という役割をすっかり忘れ去っていました。

 

被害者である貴ノ岩の負傷は重大であり、さらに実力者である横綱が加害者、もっと実力者の横綱が発端という、事情は確かに厳しいものであり、全力で貴ノ岩を支えなければならないというのも分かりますが、ここで貴乃花がすべきことは「まず協会に事実を報告し、その事情から巡業部長としての役務を継続することは困難であるので、代行選任を申し入れる」ことでした。

 

こんなことは、普通の社会人でしたら常識以前の常識です。

それができなかったから処分した。当然の対応でしょう。

 

さて、もう一点の「マスコミの論調」です。

とはいえ、新聞など「まだマシな方」の話ではなく、テレビのワイドショーや報道番組に出てくるコメンテーター、「いわゆる文化人」の連中です。

 

貴乃花処分の報道に対し、「町の人にインタビュー」というどうでもいい情報を入れ込む作りの番組が数多くあり、お得意の両論併記で極めてまともな「処分は仕方ない」という意見と「重すぎる」(これならまだ良いが)、「被害者なのに処分なんてひどい」(組織としての処分ということをまったく理解できていない無知丸出し)といった意見が流されました。

 

問題は、コメンテータの連中もこの町中意見と同程度のものが散見されることです。

 

だいたい、こういったコメンテータなる人々をどうやって選んでいるかも分かりませんが、評論家や大学教授、ジャーナリストといったのが多いようです。

もちろん、どういった経歴でどのような著作があるかということもよく分かりません。

なんとなく出ていて、時々司会者から意見を求められればそれに答えるという役割です。

彼らのしゃべっていることが、どうも前述の「貴乃花びいきの町中おっさん意見」そっくりなようです。

 

あまりにしつこい報道に、最近はあまり相撲事件関係の番組を見る気もしなくなっていたのですが、こういった「トンデモ意見」はしばらく楽しめるかもしれません。