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爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「沖縄・久米島から日本国家を読み解く」佐藤優著

著者の佐藤さんはロシア語の堪能な外交官として活躍されていたのですが、鈴木宗男議員の事件に巻き込まれ500日以上の長期にわたって勾留されるという経験をされました。

その後は著述家として多くの著作を発表されています。

 

その独房の中で、不思議に頭に浮かんだのが沖縄、久米島の風景であったということです。

 

佐藤さんは東京生まれですが、母上が久米島の出身で、幼い頃からその島の風景などについて話を聞いていたそうです。

それが、不可解な事件に巻き込まれての理不尽な拘束という状況下で自らが半分は沖縄の血を引いているということの意味を気付かされたのではないかということです。

 

勾留中に差し入れてもらって読んだ多数の書物の中でも、沖縄関係の本に大きな影響を受けたそうです。

「おもろそうし」という沖縄の「おもろ」(歌謡)集めた本の中には、久米島のオモロも含まれていました。

それには、世界は久米島の中の神聖な地、新垣の社から始まったという伝承が書かれていたそうです。

世界は決してクレムリンホワイトハウスだけが中心ではないという視点の転換だったのでしょうか。

 

 

久米島は南西諸島のなかでも沖縄本島を含む沖縄諸島の最西端で、本島からは約100km、そこから西にはもはや宮古八重山列島しか無いというところです。

歴史的にも琉球王朝の支配に入ったのは遅く、長い間独立を守っていました。

琉球と中国の間にあり、交易が盛んな頃はその中継で栄えたそうですが、琉球薩摩藩が実質支配して後は自由貿易もできなくなり貧しい地方となったようです。

しかし、直接戦乱に巻き込まれることもなく歴史資料も保存されています。

 

久米島出身で沖縄に関する学問(沖縄学)の研究者である、仲原善忠の著作に大きな影響を受けたということで、それについても多くを記述しています。

 

著者はかつてロシア外交の専門家であったので、ソ連(ロシア)の大問題であった民族問題も精通しています。その知識から振り返れば、沖縄問題というものはロシアでいうナロードノスチ(亜民族)と同列のものだそうです。

ロシアの多くのナロードノスチはソ連の政策によりほとんどロシアに同化してしまいました。

 

 

この本も非常に手強いものでした。

沖縄に関する基礎知識が乏しいために何が書かれているかが掴みづらく著者の本当に言いたいことが伝わっているか自信が持てません。

また、他の本も読んだ後にもう一度挑戦すべきかもしれません。

 

沖縄久米島から日本国家を読み解く

沖縄久米島から日本国家を読み解く