リスク学者永井孝志さんのブログで、同性愛者の献血制限と血液不足という相反するリスクについて書かれていました。
同性愛者などLGBTと呼ばれる人たちに対する差別ということが問題となっていますが、一方で献血を制限する規定というものが存在しています。
その中で、日本における献血制限は狂牛病対策として英国滞在者、そしてHIV対策として男性同性愛者に対するものがあります。
それにさらにアメリカにおける男性同性愛者の献血制限も加えて論じています。
これらの間にはいくつものリスクトレードオフがあります。
男性同性愛者がHIV感染のリスクが高いことは事実であり、彼らの献血を制限するのは仕方ないという考え方で制限されていますが、一方では献血の不足で輸血用血液が不足するという事態はかなり問題となっています。
またもちろん男性同性愛者という存在を差別しているという状況が倫理的なリスクlともなるのでしょう。
日本の献血制限は狂牛病対策として英国滞在歴のある人に1か月、男性同性愛者はHIVの危険性から6か月となっています。
アメリカでは男性同性愛者の制限が3か月ということですが、これは見直しが検討されているそうです。
この期間の決定過程についても詳述されていますが、日本の場合はあまり科学的な根拠からではなく、海外でどうしているかと見てそれに揃えるといった傾向が見て取れるようです。
リスクトレードオフというのはかなり難しい問題のようです。
そういったことを考えずに、何かが危険と言われればそれを止めれば良いという短絡的な行動が多いようですが。