爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

古市憲寿氏の発言波紋を呼ぶ。

社会学者でテレビのコメンテーターなどとしても活躍している古市憲寿さんがテレビで発言したことで色々と騒がれているそうです。

news.yahoo.co.jp

「中長期的に見れば豪雪地帯に住むということ自体が問題」といったことのようですが、とても「長期的」に見られているとも思えません。

 

そもそもなぜ日本海側に多くの人が住んでいるかと言えば、もちろん農業生産力が非常に高く、特に米の生産は国内でも有数であることは明らかでしょう。

それには田植え時の水利の有利さも関わりますが、それは積雪の融水による効果が高いものです。

 

米の生産というものが海外からの食料輸入のために重要性を失うとともに豪雪地帯でありしかも米生産地帯でもある地域の優位性が損なわれ、単に豪雪の被害を受けるだけのようなことになってしまったのですが、それもそう古い話ではないでしょう。

しかも「長期的に見れば」このまま金さえ出せば食料が輸入できる時勢がいつまでも続くわけでもなく、食料生産を重要視すれば積雪地帯に多くの人を移住させる方策も考えなければならないのかもしれません。

 

さて、それなら古市氏はどこに住んでいるのかと思えば、どうやら東京でも中心部のようです。

豪雪地帯を見て「なんでこんなところに住んでいるのだろう」という感想を持つのは勝手ですが、私から見れば東京都心のような危険地帯に「なんでこんなところに住んでいるのだろう」と思わせるものであり、その地域に激甚とも言える災害が近づいていることすら気づかないのかと言っても良いのではないかと思います。

 

首都圏直下型地震の発生だけが危険なわけではなく、世界的にも特異と言えるプレートの三重接合点に位置してプレート移動型の大地震の危険性も高い地域であり、大地震発生の場合の危険性などは言うまでもありません。

さらに、脅威の高まる(?)他国からのミサイル攻撃でも一番の標的は東京都心でしょう。

このようなリスクを避けるためには国の重要な機能はできるだけ分散させるのが当然なのですが、無策の政府は政治・経済だけでなく文化や教育もすべて東京近辺に集中させ、それがあたかも機能的であるような錯覚を広めています。

 

少なくとも自分や家族の生命を守るという意味でも東京はすぐにでも離れるというのがリスク回避のはずですが、そういったところには考えも及ばない(あるいは無意識に回避)しているのでしょう。