爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

何でも「藻まかせ」畜産飼料も藻で賄えば肉が食べ放題?

畜産飼料が不足するかもという不安が大きくなっており、代替肉などという中途半端な技術がもてはやされていますが、そんなものは必要ない、肉が十分に供給できるという夢のような話です。

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アメリカ・カリフォルニアの「FYTO」という企業が開発中の、水生植物(藻ではないようです)のアオウキクサ(これを「藻の一種」と書いている時点でちょっと)を、人工知能で栽培・採集を自動化し(出た。決まり文句)大量供給できるということです。

このアオウキクサは栄養価が非常に高く畜産飼料として有効だとか。

 

これが畜産飼料不足を解消できるという話はこの記事を書いた人が言っているだけではなく、FYTO自身が自称しているようで、しかも「牧場の隣に池を作って飼料を供給できる」と宣伝しているそうです。

 

どうもなんでも藻に頼めば(水生植物も含む)解決するかのような感覚があるのでしょうか。

もちろん、世界の畜産飼料供給量というものをまったく無視したもので、その総量は11億トンだったということですが、これを池の水草でどうやって生産しようというのでしょう。

 

ましてや、この水草は淡水産だということで、完全に農産物の水資源と競合することになりますし、そもそも水不足の地域が世界のほとんどということを考えれば適用できる場所もごくわずかでしょう。

 

この程度の話で「代替肉は必要ない」などと言う見出しをつけるというのも情けない話です。

 

他にも石油の代替製品を海産性の藻で作るとか、二酸化炭素を吸収させるとか、「藻に期待」という話がどんどん出てきていますが、せいぜいその研究者の研究費稼ぎと思えば間違いないでしょう。