最近は法律を厳守しなければならなくなったという風潮が強まったように感じます。
その割に労基法や選挙資金規正法、道交法などはあまり順守されていないようですが。
また、新たに法律が制定されているということがあまり知られていないということもあるようで、思わぬ行為が大きな違法となることもあります。
こういった日常の何気ない行為が「いまはアウト」であるということを、弁護士の菊間さんが具体例とともに説明しています。
特に厳しくなっていると感じるのが、職場などでのハラスメント関係でしょうか。
パワハラ・セクハラといった事例は以前であれば問題視する方が非難されるといったこともありましたが、今ではかなりの重罪となることもあり得ます。
女性を(女性でなくても)性的な冗談でからかうなどの行為は中年以上であればだれでも身に覚えがあることでしょうが、男女雇用機会均等法で禁止されており、さらに今では大方の会社では就業規則で厳しく対処するようになっているため、慰謝料請求になることもあるようです。
スマホの電池切れというのはよくあることのようですが、駅やコンビニでコンセントがあるからと言ってそこで充電するのも違法行為です。
客の充電行為のためにコンセントを設置してあるカフェなどもありますので、その違いというものが分かりにくいのですが、施設側が業務のために設置してあるものを勝手に使った場合、電気も財物と見なすという刑法245条の規定があるために、窃盗罪に該当するということです。
実際にこれによって書類送検された人も居るということです。
自転車などはそれほど犯罪意識が無くても軽い気持ちで乗って行ってしまう人間がいますが、「自分の盗まれた自転車を発見した」場合でもそれを勝手に持ち帰るのも犯罪となってしまいます。
刑法242条に「自分の財物であっても他人が占有する物である時は他人の財物と見なす」という規定があり、それを勝手に自分の支配下におくことは窃盗罪や強盗罪に問われることがあるということです。
これは日本では特に「自救行為」(自己の権利を回復し保全するために、公権力によらず権利者自らが行う実力行動)が原則禁止されているからだそうです。
これを認めてしまうと、自分の物だからといって暴力的に奪い返す行為や、極端にいえば仇討ちなども許されることになってしまうので、厳しく禁止しているのです。
こういう場合でもやはり証拠をそろえて警察に報告ししかるべき対応をしてもらう必要があるそうです。
家族のなかでも法律を守る義務があります。
「預かったお年玉を家計の足しにする」というのは、どこの親でもやりかねないことですが、これは横領罪に該当します。
ただし、犯罪自体は成立しますが刑罰は免れることも規定されています。
(刑法255,252,242条)
家族間の問題は法が関与しないということですが、ただし子供の親に対する金銭返還請求権はありますので、子供から請求されれば親は払わなければならないということです。
気を付けねばいけないことが色々とありそうです。