「鹿児島では子どもへの本の読み聞かせが盛ん」という話を聞き、そこには児童文学作家の椋鳩十がかつて「母と子の20分間読書運動」を1960年から始めたことが関わっていたということも知りました。
椋鳩十という、ちょっと変わったペンネーム自体は知っていましたが、どのような方かということも全く知らず、ちょっと調べてみて驚きました。
椋鳩十、本名は久保田彦穂は1905年、長野県下伊那郡喬木村の生まれです。
旧制飯田中学を卒業後、法政大学で国文学を学び、その後鹿児島県中種子小学校の代用教員となるも、真夏にふんどし姿で教壇に立ったため首に、そして姉の伝手で鹿児島県加治木の高等女学校の国語教員となりました。
1947年から19年間、鹿児島県立図書館の館長を勤めており、上記の読書運動もその時期のものです。
その後は鹿児島女子短大の教授を勤め、そのかたわら動物を題材とした児童文学を発表していました。
現在も鹿児島県姶良市加治木町に椋鳩十文学記念館がありますが、生まれ故郷の長野県喬木村にも椋鳩十記念図書館が設置されているそうです。
生まれ故郷が長野県下伊那というところでびっくりしました。
私の母の故郷が喬木村の天竜川対岸の高森町、椋の生家のある阿島に渡る阿島橋にほど近い所でした。
そこから鹿児島に渡ったというのは、姉上が女医として先に勤務していたという経緯があったようです。
その後は生涯鹿児島で活躍されたのですが、発表された文学作品は(読んだことはありませんが)どうやら信州の山の記憶が影響していたように感じます。
故郷から遠く離れた九州で暮らすという、その点だけは(活躍はぜんぜんしていませんが)私も共通したところです。
まあ児童文学なので作品を読もうということにはなりそうもありませんが、孫に読ませるには良いのかも。