爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

祝!橋本聖子さん会長就任、しかしこの後に何が起きるのか。

透明性を重視すると言いながらまったく不透明な選考過程を経て、ようやくオリンピック組織委員会の会長に橋本聖子さんが就任しました。

「女」で「アスリート出身」であれば良いだろうと言わんばかりの選考にしか見えませんが、まあとにかく早く決めなければということでしょう。

 

しかしこの先新会長に何が待っているのか。

非常に厳しいものでしょうから、見通しと対策案などを披露して就任祝いとしましょうか。

 

どうしてもオリパラ開催をしたいというのが望みなのでしょうが、多くの人が難しいと考えており、その判断の方がまともでしょう。

それでも開催するにはどうすればよいのか。

 

とにかくこの先の日本そして世界のコロナウイルス感染流行の状況がどうなるかです。

 

日本について言えば、緊急事態宣言でようやく流行にブレーキがかかってきたのですが、これでもう大丈夫などと考えている人は専門家、一般人を含めほとんど居ないでしょう。

ワクチンが急速に接種できたとしても感染拡大の阻止にすぐつながるかも不明確です。

ところが、ワクチン供給にはまだ不確定要素が多く、優先する高齢者の接種すら簡単には進みそうもありません。

しかしさすがにもう緊急事態は解除せざるを得ないでしょうが、そうなればまた感染再拡大が起きるのは間違いないところです。

それがいつ起こり、どの程度の規模になるのか。

 

前回の緊急事態制限解除後、感染拡大までは2か月程度かかっていますが、今回もそのくらいは大丈夫ということにはなりません。

前回はほとんど東京や関西、北海道などに感染地域が限られていましたが、今回は全国に感染が広がっており、再発生のおそれは高まるでしょう。

また、感染力が強まるウイルス変異株も広まっており、これも危険因子です。

 

最悪の場合には解除後1から2か月で大規模な感染拡大再発が起きる危険性もあると思います。

そうなると、4月から5月にまた感染急拡大が起きるかも。

これはとてもオリンピック開催には向かえないでしょう。

もう少し時期が遅れるか、あるいは幸運にも感染拡大が小規模にとどまった場合にはまあ何とかオリンピックを開いても良いかという雰囲気にもなるかもしれません。

 

ただし、これは日本国内の状況に限った話です。

 

世界ではすでにワクチン接種がかなり進んでいる国もイスラエル、イギリス、アメリカなどありますが、途上国ではほとんど始まってもいないようです。

中国やロシアのワクチンを途上国へ供給するという、あくまでも外交政策としての動きもありますが、その大々的な宣伝の割には供給量はごくささやかなもので、シンボル的な意味しかないでしょう。

さらに接種が先行している地域で劇的に感染阻止ができたということもないようです。

せいぜい「重症化する人が減った」とか「発症率が若干下がった」といった程度で「効果があった」と言われている程度です。

 

このような世界情勢で、日本の受け入れ態勢が整ったとしても選手などを送り出す態勢ができるかどうか。

かなり疑問と言わざるを得ないでしょう。

しかしこれは日本としてはどうしようもありませんので、まあ選手や役員はかなり感染している危険性が高い人々が送り込まれてくると考えざるを得ません。

 

そのような状態で、それでも無理やり開催をするという場合に何をするべきか。

 

まず、海外からの観戦者は受け入れないことです。

検疫体制もほとんど構築不可能でしょう。

これは報道関係者なども同様です。

原則として入国させず日本在住の記者等からの記事や映像配信のみとします。

 

海外選手団役員もギリギリの数まで削減し、必要最小限の人数としますが、やはりゼロにはできないでしょうが、選手と同様の受け入れ手順で入国はさせざるを得ないでしょう。

 

選手と最小限の役員ですが、その入国者だけでも数万人規模となります。

非常に厳しい受け入れ態勢となります。

 

まず、来日前に必ずワクチン接種。

途上国などで国としてまだ接種が進まないところもあるでしょうが、IOCを動かしてでも何とか遂行させ未接種者は入れません。

そして最低でも2週間以上の入国後隔離が必要です。

その期間に数回のPCR検査を繰り返し、陽性者はそのまま帰国させます。

数万人を収容する施設があるかどうか知りませんが、これは譲れないところでしょう。

 

開会式など式典や競技は国内在住者であれば観戦をさせないという必要はないでしょう。

観客数は制限しますが、無観客とすることはありません。

見た目にも配慮し、国内在住の外国人を積極的に観覧させて国際色を無理やり出すという姑息な手段もあるかもしれません。

 

このような方策をとってもやはりある程度の感染者発生は避けられないでしょう。

変異型ウイルスもいくつも出て来るかもしれません。

 

このように、非常に不自然な形で、ある程度は強圧的な手段を用いた開催となるのでしょうが、必要な手続きかと思います。

 

しかし、これが「人類がコロナに打ち克った証し」でしょうか。

どう見ても、「コロナに打ち負かされてしまった人類の姿」にしか見えないように思います。

これでも無理やり開催する価値があるのでしょうか。