爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「算数再入門」中山理著

世の中には数学が苦手という大人が多いようです。

学校では中学以降は数学を習いますが、小学校では算数という教科名で習います。

どうやら多くの数学嫌いの大人のつまづきは算数の時代にありそうです。

 

この本は、小学校の教諭を経て算数の教育方法を研究された中山さんが、その経験を踏まえて算数の全課程の概観を分かり易く解説しています。

 

小学校1年の最初は、「数の認識」というところから始まりますが、そこから6年生でやるような文章題や立体図形まで、かなり詳しく説明されています。

 

これは、算数が分らなかった大人のためだけでなく、小学校の先生のための本でもあるということです。

小学校では全教科を一人の担任の先生が教えるため、算数は専門外でも教えるという人も多いようです。

そのような先生でも、算数の楽しさを間違いなく生徒に伝えるということは大切なことなのでしょう。

 

なお、中山さんの小学校教諭時代のものでしょうか、生徒が算数授業について書いた作文というものがあちこちに掲載されています。

それを見ると、先生から教えられること以外に子供たちが自分で考えて色々な「発見」をすることが多い(人によるかな)ことが分かります。

それがたとえ間違っていても、回り道であっても、こういう体験を重ねて行ける子供は将来有望だろうなと思います。