爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「内田樹の研究室」より、「日本学術会議問題について」

日本学術会議の問題については、様々な議論がされていますが、内田樹さんは「統治コストの削減」と「国力」という観点から書かれています。

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たいていの議論は「学問の自由」といった点を主要なポイントとしてますので、ちょっと違った観点と言えるのでしょう。

 

今回の反政府的言動をする学者の排除というものは、安倍政権時代から続いている「統治コストの削減」という路線の延長上にあるということです。

 

政府に反抗するような人々は排除していくことが「統治コスト」を下げることになるという方向です。

自民党政治家、官僚、マスコミとその成果をあげ、さらに学者の世界にも踏み込んできました。

おそらく、学者などは簡単に言うことを聞くだろうという思いだったのでしょう。

そこで思わぬ反対に出会ってしまった。

 

しかし、「統治コストの削減」は政権の安定性にはつながりますが、「国力」についていえば正反対の影響が出ます。

反政府的な人々というものは、「国力の増大」に寄与するというのが内田さんの意見です。

政権側にとっては反対意見というものは耳に痛いものですが、それは政権の間違いや非効率性、不合理などを指摘するもので必ず国力の増大につながるということです。

 

したがって、反政権者の排除に努めてある程度の成果をあげてきた安倍政権下では国力はどんどんと下がっていった。

この路線をスガも継承するということでしょう。

 

スガ政権は「国の活力を奪って政権を安定させる」方向を目指してしまった。

先は長くないでしょう。