爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「クラシック名画のトリビア的楽しみ方」北島明弘著

映画の人気もかなり高いようで、新作も次々と作られていますが、「クラシック名画」とでも言うべきかつての映画もまだまだ人気があるようです。

そう言った名画についての、トリビア

ちょっと前の言葉で言えば「こぼれ話」「逸話」というべきでしょうが、だいたい「トリビア」で通じるようになってしまったのでしょうか。

 

それを集めたという本で、もともとは月刊誌「スクリーン」に連載された記事と言うことです。

対象作品は英米のものが多いのですが、これは「トリビア」について出版されたりした資料が英米のものが非常に多いからだそうで、それも国民性というものかもしれません。

 

配列は時代ごとではなく、内容でくくったもので、「恋愛」「コミカル」「アクション」「西部劇」「ミュージカル」などとまとめられています。(章題はもう少ししゃれたものにしてありますが)

 

今では大作・名作として知られている映画でも、製作当時にはいろいろとトラブル発生、監督を交代させたり主役も取り替えたりといったことが頻発していたようです。

もしも別の監督、主役であったならかなり違った雰囲気の映画になっていただろうと思います。

 

ローマの休日」はオードリー・ヘップバーングレゴリー・ペックの主演ですが、もともとはフランク・キャブラ監督がケーリー・グラントエリザベス・テーラーの主演で撮るつもりだったそうです。

しかし、彼の会社の経営状態が悪化したために映画化権を35000ドルでパラマウントに売却しました。

パラマウントではウィリアム・ワイラーに監督を依頼、グレゴリー・ペックはすぐに決まったものの、アン王女はワイラーがどうしてもオードリーにこだわり、かなり無理をして決定したということです。

まったく違ったものになっていた可能性もあったのでしょう。

 

ロミオとジュリエット」、何度も映画化されていますが、もっとも有名なのは1968年のフランコ・ゼフィレッリ監督のものです。

ゼフィレッリはこの映画の主役にはオリジナル通りに若い俳優で撮りたいと考え、当時17歳のレナード・ホワイティングと15歳のオリヴィア・ハシーを抜擢しました

ハシーは最初は太りすぎているとして落とされたのですが、決定していた女優が髪の毛を切ってしまいイメージが壊れたとして降ろされ、ハシーに急遽決定。

ただし、撮影中は太らないようにパスタを食べることが禁止されたということです。

主役の二人ともその後はほとんど映画界では活躍できず、あれだけが輝いた出演でした。

 

戦争映画として有名な「ナバロンの要塞」ですが、イギリスの作家マクリーンが描いたこの小説の舞台の「ナバロンの要塞」というものは存在せず、ナバロンという島も架空のものです。

監督は初めはアレグザンダー・マッケンドリックが雇われるのですが、2週間で解雇され、代わりにリー・トンプソンが雇われました。

俳優には大物を揃え、グレゴリー・ペック、デービッド・ニーブンなどを起用したのですが、その結果皆年齢が40代から50代の「老兵チーム」になってしまったそうです。