爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「デジタル庁」という名前の違和感

菅内閣の目玉と言ってはあまりにも情けない「デジタル庁創設」という話ですが、中身には今のところケチを付けるほどではありません。

 

ただし、どうも「デジタル」という用語の使い方に違和感があります。

 

これまでは「IT化」という言葉がよく使われていました。

これに手垢が付いてきた感じがあるのでしょうか、「デジタル」と言われるようになってきたような印象があります。

 

言うまでもなく、現在のコンピュータはデジタルコンピュータです。

「デジタル」とはアナログに対する言葉であるという認識は誰にでもあるでしょうが、アナログが「連続的」ということであるのに対し、デジタルは「整数化」です。

これは、デジタルコンピュータが「0」と「1」のみを使っている(二進法)からということに由来します。

アナログコンピュータというものも存在しますが、現在では用途が極めて限られているようです。

 

アナログとデジタルの違いを示すものとして、アナログは計算尺、デジタルはソロバンという言い方もあります。

感覚的には分かり易い例かと思います。

 

このように、「現在のコンピュータ技術」に限って言えば、コンピュータはデジタルということもできますが、「デジタルはコンピュータ技術全体をさす」とは言えないように思います。

 

一方、ITは「Information Technology」の頭文字であり、日本語で言えば「情報技術」に当たります。

これも「IT=コンピュータ技術」とは言えないのですが、デジタルよりは近いようにも感じます。

 

さて、件の「デジタル庁」ですが、どうやらお役所内でのコンピュータ化を進めるために関係部署を統合するということのようです。

それならば「情報技術庁」の方がはるかに正確であり内容を間違いなく伝えられると思いますが、政治家たちの頭の程度には「デジタル庁」の方が良いと映るのでしょう。

 

ただし、各省庁のデータを統合して統一的に運用などということができるのでしょうか。

「情報=力」であり、権力の源であるオリジナルデータを省益第一の各省庁が提供するはずもないと思いますが。

 

(このあたりの状況については、ファーウェイやTiltokをめぐる米中の争いを見ても明らかでしょう)

どうせ一瞬の打ち上げ花火で尻切れトンボになるのは明白なデジタル庁騒動となるのは間違いありません。