よく取り上げている田中宇さんの「国際ニュース解説」ですが、今度は中国が内需型に転換していくのではという見方について書かれています。
8月4日に習近平が発表したという、「双循環戦略」というものがそれだということです。
なお、これは一般ニュースではほとんど扱われていませんでしたが、経済関係のニュースとして取り上げられているところもあるようです。
その内容は田中さんも書かれているように、これまでの対米輸出によって稼ぐ方向から国内向けの供給主体にする内需型の経済を目指すというものです。
こういった戦略を取る理由はもちろん、「トランプ」と「コロナ」です。
トランプ大統領が再選されるかどうかは分かりませんが、田中宇さんの少し前の記事ではトランプ不利と言うのは民主党寄りのマスコミの曇った目でみただけの話ということもありました。
トランプ再選となれば中国敵視政策は継続することとなり、対米輸出は厳しくなるばかりでしょう。
民主党政権になっても輸出が回復するとも言えません。
さらに、コロナ禍で欧米などの需要は低下したままで、外需頼りでは中国経済の復活も難しくなるということでしょう。
ただし、そう簡単に内需主体の経済への転換ができるかどうか。
田中さんも中国が持つ技術力は十分であると考えています。
ただし、それを買う資金が国民にあるかどうか。
これまでの対外貿易の利益も多くは国民に回らずに政府や共産党内で使われていたと見ます。
そうなればいくら国内生産で供給したくても買うことができる国民はごくわずかです。
しかし、田中さんは習近平が独裁的な手法で共産党幹部や地方有力者を抑え込み国民に金を廻すことで内需主導の経済が成立するのではないかと見ています。
そうなった場合、これまで中国貿易で稼いでいた日本や韓国など諸国には回ってくる金が少なくなり苦境になるという見方です。
中国も相手方の姿勢により貿易の可否も決めることになれば、文句を言わずに中国に従う国だけが生き残ることになるのかもしれません。
もはやアメリカは何の力も発揮できなくなるというのも田中さん独自の観察です。
日本もそれに頼ることはできなくなるかもしれません。
というのが、田中宇さんの記事でした。
そうなるかどうか、色々と不確定要素もあるのではないかと感じます。
もちろん最大のポイントは、中国の国民に広く金が回るかどうか。
これまでほとんどが共産党幹部や国営企業に転がり込み、一部が富裕層に回っていたのでしょう。
それを阻止することが習近平にできるかどうか。
簡単にはいかないように思います。