なかなか消火もできないので先進諸国が資金を出しても消火活動をさせようとしたらブラジル大統領が拒絶したという話も伝わっています。
どうやら、森林を燃やして耕地化を進めたいというのがブラジル政府の目論見のようです。
一方では、先進諸国たちはアマゾン熱帯雨林が全地球の酸素の何十%を作り出しているとか言い出し、それを失うと地球環境に大きな影響が出ると言っています。
(先進諸国のその地域にもかつてはうっそうとした森林があったのに、全部切り開いてしまったことには触れようとしません)
あるテレビ報道では、酸素濃度が下がると温暖化も進むなどと、能天気発言。
酸素濃度が低下したら温暖化どころの話じゃないだろが。
というわけで、大気中酸素濃度の歴史について振り返ってみましょう。
ウィキペディアで「地球の大気」という項目の中に示されている図です。
現在の大気中酸素濃度は、21%程度ですが、この値になったのはごく最近であることがわかります。
そもそも地球の最初の大気にはほとんど酸素はありませんでした。
それが、生命の誕生とともに生命活動として酸素を遊離させる生物が出現し、それがどんどんと増殖することで大気中にも酸素が増えていきました。
上の図で「600」とされている、約6億年前には全球凍結から溶け出したなかでカンブリア爆発という生物の大発生が始まります。
それで酸素濃度は上がり続け、約3億年前には大気中酸素濃度が35%にまで達します。
しかし、その後(2億6000万年前)から酸素濃度が急激に低下し、15%まで急落します。
特に海水中の酸素はほとんど失われ、生物の大量死滅が起きます。
ここで何が起きたのでしょうか。
その原因については、もう少し勉強する必要がありそうで、的確にまとめることはまだできません。
それはともかく、酸素濃度が低下した時期が恐竜が繁栄した時代であり、恐竜は低酸素濃度にも適応した身体構造を持っていたためだったそうです。
現代の鳥類が低酸素濃度の高空でも飛ぶことができるのは、先祖の恐竜の構造を受け継いでいるからです。
さて、低酸素には適応できない哺乳類の祖先は、その間は恐竜の足元をチョロチョロと逃げ惑うばかりでした。
そして、その後酸素濃度は再び上昇、30%程度まで上がった後に徐々に低下して現代の21%になっています。
これが、本当に熱帯雨林が失われることで変化することがありうるのでしょうか。
あるとすれば、低酸素には適応できない哺乳類としては厳しい状況になるでしょう。
また、鳥類の天下になるのかもしれません。