札幌で起きたガス爆発事故では、幸い死者は出なかったものの大きな被害を出しました。
居酒屋が営業中だったということで、最初はおそらくそちらのガスが漏れて溜まって爆発かと思っていましたが、捜査が進むについて驚きの事実が判ってきました。
居酒屋よりも隣の不動産会社の方が被害が大きく、その社員が「スプレー缶のガス抜きをした」を話しているそうです。
それも100本以上の缶のガス抜きを、密閉された室内でしたということで、どうやらこっちのガスが引火して爆発したという原因であるかもしれません。(まだ不確定)
居酒屋さん、疑って失礼しました。
スプレー缶の加圧用ガスとしては、かつてはフロンが不燃性でもあり使われてきたのですが、フロンの使用が禁止された結果、LPGなどの可燃性ガスが使用されるようになり、半分以上はこちらのガスといことです。
そのため、スプレー缶は換気の悪い室内では使用も注意しなければならないのですが、捨てる時には内部のガスを使い切って捨てなければ危険ということで、残りのガスを放出する際も室外で行うことが常識と思っていました。
しかし、ここではたと思い当たったのが、自分にとっては常識と思っていたことも知らない人間が結構居るのかもということです。
ここで、知っておくべき事項としては、「スプレー缶の加圧ガスには可燃性ガスが使われていることがある」ということと、「可燃性ガスが空気中に含まれている時に、爆発的に燃焼する濃度がある(爆発限界)」ということです。
私自身は、普通の人よりははるかに多くの知識を持っているという自覚も自負もありますので、当然ながらガスに関してこのような事項はよく知っており、「常識」の範囲内に入るべきことであると思います。
また、ゴミ捨てなどの際にスプレー缶のガスは出し切ってからといった注意は繰り返し強調されているので、たいていの人には行き渡っている常識かと思いました。
しかし、例の不動産会社の社員2名にはそういった知識がなかったようです。
考えてみると「常識」と言われていることでも、必ずしも社会のすべての人間が知っているとは言えないというのも事実でしょう。
あくまでも、それぞれの事項についてある程度は知らない人間も居るということなのでしょう。
それが、「90%以上の人が知っていることなら常識」とか、「50%以上でも常識」といった判断はしなければならないのかもしれません。
それでも、こういった周囲にまで危険を及ぼすような事柄については、できればほとんどすべての人に知識を持ってもらいたいものです。