日経のネット上の記事で、小宮一慶さんが日銀の政策の異常さについて解説しています。
「物価上昇目標2%」と言い続けて「異次元緩和」をやっていますが、物価はピクリともしないようです。
そのための異次元緩和で、一番影響を受けるはずの銀行の融資額は若干の増加があるだけでこちらもほとんど動きがないと言えるようです。
このような異常事態は実は2015年には終わっているはずでした。
それが目標に達しないからといって続けてしまうという愚かさ。
黒田総裁もかつては以下のように言っていました。
異次元緩和は、当初2015年3月までには終了する見通しでした。黒田東彦日銀総裁は当時、「アベノミクス第1の矢である金融緩和と第2の矢である財政出動によって景気は緩やかに回復してきたが、最も重要なのは第3の矢である成長戦略だ。成長力を底上げするための成長戦略の実行を加速し、強化することが極めて重要である」と訴えていました。
つまり、金融政策から成長戦略へバトンタッチしなければ、日本経済の足腰は強くならないと言っていたのです。金融政策は、所詮カンフル剤に過ぎないということをよく分かっていたのでしょう。
金融政策だけでは到達できないのは本人も分かっていたはずです。
この結果、当初のマネタリーベース135兆円を2年で270兆まで増加させた「異次元緩和」が、そのままさらに増加し続けて実に500兆円。
これがおかしいと思わないのが怖ろしいところです。
最近では、日銀の注目度も落ちているのではないでしょうか。
日銀が何をやっても、黒田が何を語ってもほとんど無視されているようです。
その中で、日本経済の状態だけが膨れ上がっている。
それがいつかは崩壊する怖さを誰も感じていないのでしょうか。