参議院議員の選挙で、1県1人でも格差が解消されないために2県から1人という合区が採用され、主に地方の議員と選挙民から不平を言われていましたが、その解消のために憲法改正の際にそれを入れるということにしたいようです。
現憲法では衆参の国会議員は人口に応じて選ぶということになっていますので、そこに手を付けなければどうしようもないのですが、それにしても自衛隊の条文挿入の次に出てくるような問題でしょうか。
国会の2院制(両院制)というのは各国で採用されていますが、その性格付けは国によって様々で、かつての戦前の日本のように貴族院という性格が残っている国もあり、またアメリカのように連邦制を色濃く示しているところもあります。
したがって、日本でも参議院をどのように位置づけるかということは大きな問題のはずですが、今回のようにただ単に地方の県単位の議員がいないのは困るというだけの問題に矮小化して良いはずはありません。
アメリカの上院は各州2名を選出という、あくまでも州の独立性を重視したものになっています。
カリフォルニアのような大きな州であろうと、小さな州であろうと2名ずつということで、性格もはっきり現れたものとなっています。
ここで日本も参議院議員は各県1名とでもするならまだ理屈は通りますが、逆にそこまで各都道府県の独立性も無い中で、参議院議員だけそうしたって、恥ずかしいだけでしょう。
憲法改定と言う問題を、自衛隊明記だけに矮小化するのは全く論外ですが、ちょこちょこと議員定数の問題などを潜り込ませようという、自民党議員どもの行為も同様です。
恥ずかしいという感覚は無いのでしょうか。
変えたいのなら、参議院と言うものをどうしようかという根本をはっきりと論議すべきです。
このままで良い訳はありません。(衆議院も含めて)
国会議員の選び方、すなわち国政をどうするかということです。
首相の独断を通したいだけの議員を揃えたいという、それも一つの方向でしょう。皆が認めれば。
本当に国民の代表を比例で選ぶのなら、完全大選挙区(全国区のみ)として選ぶのが最も公正です。
そういうことも議論せずに、ただ1県1名の議員などと言うのが政治というものでしょうか。