爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「内田樹の研究室」より サンデー毎日ボツ原稿北朝鮮と安倍政権

内田樹さんのブログが面白くいろいろと読ませていただいています。

これは最近のものから、「サンデー毎日」に掲載予定で9月中旬に書き上げて10月初めに出版予定だったのですが、衆議院解散などですっかり空気が変わってしまいボツにしたものだそうです。

 

取り上げた内容は、北朝鮮に対する安倍政権の姿勢。

 

これについては私のブログでも色々と書いてきました。

例えば9月16日づけでは次のようなものを上げています。

sohujojo.hatenablog.com内田さんの記事もほぼ同じ時期に書かれていますので、雰囲気としては同様でしょうか。

こちらは「サンデー毎日」没原稿 (内田樹の研究室)

 

やはり安倍政権の強硬な北朝鮮制裁強化の姿勢があまりにも異様なほどであり、その裏側にある心理を考えてみたのでは同じようなものですが、内田さんと私とでは違うところもありそうです。

 

私は、この強硬姿勢はあくまでも日本人向けのポーズであり、それによりモリカケ問題などへの追求を緩め、危機感を煽って内閣支持率向上を目指すものであり、裏では決して戦争勃発の危険性はほぼ無いことを信じられる理由(アメリカの意図など)があるからこそのものであろうと思っていました。

 

しかし、内田さんの意見はさらにその上を行くものでした。

安倍首相は北朝鮮への圧力の行使にはたいへん熱心だが、「全力を挙げて戦争を回避する」ということは口にしない。

安倍首相は本気で「戦争をする気でいる」。だから、そのための環境づくりにたいへん熱心なのである。彼が続く内政面での失敗にもかかわらず、いまだに高い支持率を誇っているのは、彼の好戦的な構えを好感する有権者がそれだけ多いからである。

そして、その割には戦争勃発の危険性があってもその被害についてはほとんど考えてもいない。

それは、戦争によって犠牲者が出ればさらに政権への支持率が上がるからだとしています。

これには9.11のブッシュ、フォークランド紛争でのサッチャーといった前例がありました。

いかにひどい指導者であっても戦争などが起きれば支持率は上がるという。

 

内田さんの記事はさらに深いところに進みます。

安倍の狙いは「戦争をできる国」に日本をすることだとしています。

そして、その「戦争をする相手」は北朝鮮や中国だけに限らず、実は「アメリカ」も含んでいるということです。

今は確かにアメリカに完全隷従の態度を示し、「アメリカとともに戦う」国に日本を持ってきた。しかし、彼らの本当の狙いは「アメリカとも戦う」国にしてしまおうということだということです。

 

ここまでは、ちょっと言い過ぎのようにも思えます。内田さんも少し安倍を買いかぶり過ぎているのでは。

彼に本気でアメリカに逆らう意志があるとは思えないんですが。

とはいえ、非常に参考になる意見でした。