爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

「内田樹の研究室」より、”揺らぐ戦後国際秩序”

内田樹さんの「研究室」、紹介されていたのは毎日新聞に掲載されていた海外の二名の論者の議論で、ドナルド・トランプアメリカ主導で続けられてきた戦後の国際秩序をぶち壊そうとしており、他国はそれに備えた対応が必要ということです。

blog.tatsuru.com二名とは、国際政治学者のフランシス・フクヤマと前WTO事務局長のパスカル・ラミーで、この毎日新聞のコーナーは普通は相反する主張を述べる2名の議論を併載するのですが、今回は2名とも同じ趣旨の発言であったそうです。

その趣旨とは、ドナルド・トランプが得意顔で仕掛けている貿易戦争なるものは、アメリカの作り上げてきた国際秩序を壊そうとしているだけであり、もしもトランプが再選されあと6年政権を維持すればアメリカは世界の指導者の地位から滑り落ちてしまうだろうということです。

 

もはや、日本もヨーロッパもアメリカ抜きで世界を維持することを目指し、その体制を作り出すことを考えなければならないとしています。

 

フランス語で「Sauve qui peut」と言うそうですが、戦艦などで難破し操縦不能となった時に司令官が隊員に命令するのが「各自生き延びられる者は生き延びよ」ということです。つまり、もう具体的行動を命令することはできなくなったということです。

 

しかし、内田さんの言う通り、安倍政権はこのようなフクヤマとラミーの忠告を聞く耳は持たず、変わらずにトランプ政権に忠節を尽くそうとするでしょう。

その結果は、トランプとの心中になります。

もしもトランプが政権から滑り落ちた後もアメリカと上手くやろうとするなら、次の大統領に今からでもつなぎを付けておく必要がありますが、それができるようにも見えない。

 

トランプが玉砕覚悟でアメリカの進路を破壊しようとするのは勝手ですが、日本の政権がなぜそれに従うのか、自民党総裁選で安倍を支持し続けようとする自民党員もよく考えた方が良さそうですが。