本書副題は「相続手続き、家系図作りに役立つ!」です。
こういった要望が多いのでしょう。
私も相続にはほとんど関係がありませんが(遺産もわずか)家系図作りには興味があるので読んでみました。
なお、著者の丸山さんは行政書士で、先祖探しといった仕事も請け負っているということですので、こういった戸籍取扱には通じておられるようです。
実際の戸籍なども見やすい写真版で豊富に掲載されており、挿絵も有りで非常に分かりやすい実用書となっています。
しかし、戸籍謄本だとか抄本だとか、いろいろと取ったり使ったり、また結婚の時に作りその後家を建てた時に本籍地も移したりと、やって来た割には戸籍というものをほとんど知らなかったことには驚きです。
戸籍にも「現戸籍」「改製原戸籍」「除籍」の種類があり保存期間中は保存されているそうです。知らなかった。
明治以降、戸籍制度が始まって以来様式は数回変わりました。
明治5年式(スタート、現在では取得できない)、明治19年式(取得可能な場合もある)、明治31年式、大正4年式、現在の戸籍(家単位の戸籍から夫婦と子の単位に変更)
となっています。
明治19年式まで保存してある場合は少ないようで、それが取れれば幸運とか。
また、戦災による焼失や保存期限経過で廃棄といった場合もあり、もしも必要な場合にそういったことで失われていたら「焼失証明書」を自治体に発行してもらって原本に代えるという手段があるそうです。
本書最初の部分は、戸籍の取得方法、読み方といったものですが、その後は戸籍に関するあれこれの話が語られています。
例えば、結婚、出産、離婚、死去、相続、養子縁組等々
相続の時には被相続人の全戸籍が必要で、それを用いて親族関係図を作成し、法定相続人を明らかにし、相続順位、相続割合を決めていくんだそうですが、10年ほど前に父親が亡くなった時、そんなことやった覚えないけど、弟がやったのか。
再婚した場合の子供の戸籍はどうなるのか、相当面倒なことのようです。
さらに離婚した場合の子供の戸籍は親権がどうなるかに関わらず変わらないとか、子供の戸籍を変えたい場合はどうするかとか、やっかいなものです。
とはいえ、だから離婚を思いとどまるという人も少ないでしょうが。
最近問題になっている「戸籍がない子ども」の問題も触れてあります。
DVからみが多いようですが、制度で救えるものはなんとかしてもらいたいものです。
取れるうちに父母の戸籍など取っておこうかと思う今日このごろとなりました。