爽風上々のブログ

熊本の片田舎に住むリタイア読書人がその時々の心に触れたものを書き散らしています。読んだ本の感想がメインですが(読書記録)、エネルギー問題、食品問題など、また政治経済・環境問題など興味のあるものには触れていきます。

川内原発再稼働の報道のあまりにも底の浅いこと

昨日の川内原発の再稼働について、我が家のとっている今朝の新聞(全国紙では売れていないM紙)かなりの紙面を割いて報道していますが、基本的にはかなり批判的な姿勢のようです。おそらくY紙S紙では扱いは相当違うでしょう。

しかし、その論拠というものが、「太陽光発電も普及している」とか「石油が値下がりしているので火力発電燃料費も安い」とか、「この夏も電力供給は足りている」とか、あまりにも底の浅い議論で、これでは推進派に美味しい反論根拠を与えるだけです。

太陽光はあくまでも「計算上」の電力であり、このような不安定発電に頼るわけには行かずかなりのバックアップ発電が必要となります。電力を量だけで見ては間違えます。高品質の電力が要らなければそれでも良いのですが。
石油の値下がりもアメリカの仕掛けたシェール革命と言う戦略的な政策によるもので、基本的には燃料価格は上昇していくものと考えられます。火力頼りの電力供給でやっているとまた電力料金の値上がりと言うものに揺さぶられるでしょう。

こんな議論には電力専門家は簡単に反論できるはずですが、まともに相手をしようとはしません。おそらく本格的な議論をするよりは無視した方が楽なのでしょう。そのためにいつまでたってもまともな将来に向けた議論ができません。政府や電力会社が対応する気がないのなら他の政党がやるべきなのでしょうが、責任のある対応ができる政党はありません。

カルデラ火山がいくつもある南九州は危険」という議論もありました。原発が影響を受けるようなカルデラ火山の爆発が起これば、その時には鹿児島市熊本市も全滅しています。避難者も残っていないかもしれません。
最近のものは九州に多いのですが、北海道にも巨大なカルデラの痕跡がありますし、箱根もカルデラです。その危険を気にするなら日本には住めません。幸いなことに?巨大カルデラ噴火はおそらく数万年に一度でしょう。前回は6000年ほど前ですので、あと数千年は大丈夫かもしれません。そのころにはもう日本は滅んでいるかもしれませんし。

今、語るべきは「経済成長などしなくても良い。電力消費を劇的に減らすことにより原発全廃に向かうべきだ」ということです。その覚悟なしには一歩も進みません。